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<県境ものがたり> 白山(4)

深緑の中、姥ケ滝と清流を眺めながらゆったりと入浴できる親谷の湯=石川県白山市で

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◆秘湯で温まる交流

 緑まぶしい急な遊歩道を、下ること十分余り。谷底に映えるコバルトブルーの清流沿い。ひっそりと露天の秘湯がたたずんでいた。

 目の前で、姥ケ滝が落差七十六メートルの岩肌を滑り落ち、しぶきを上げている。

 石川県白山市中宮。同市と岐阜県白川村を結ぶ白山白川郷ホワイトロード(約三十三キロ)のすぐ脇に、「親谷の湯」はある。江戸時代には、山を越えて飛騨からも湯治客らが訪れた。

 ただ、湯の自噴は二〇一二年に止まってしまう。白山(二、七〇二メートル)の開山千三百年に合わせた工事を経て今年夏、復活した。

 西に約三キロ離れた「中宮温泉にしやま旅館」は、一八六九(明治二)年の創業。代表の西山喜一さん(73)は「昔は、うちから親谷の湯まで道がなく、川伝いに客を案内したものです」とかつての趣を懐かしむ。

 快癒を願う患者、岐阜側からどぶろくを持参した温泉客…。深い山の中で、さまざまな人生が交差した。

 四十年前、ホワイトロード(旧・白山スーパー林道)が整備され、車で気軽に足を運べるように。五年ぶりに湧きだした湯は、新たなふれあいを育んでゆく。

 (写真・泉竜太郎、文・岡本真穂)

 

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