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ノーベル街道、今年も? 有力候補続々、10月2日から発表

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 来月二日の医学生理学賞から始まる二〇一七年のノーベル賞発表を控え、注目されるのが、富山市から名古屋市まで中部地方を縦断する国道41号だ。自然科学関連の受賞者にゆかりのある街や研究拠点が沿線に並び、人呼んで「ノーベル街道」。今年も有力な受賞候補がめじろ押しで、さらににぎやかさを増す、かもしれない。

 スマートフォンやノートパソコンなど、現代社会を支える道具に不可欠なのが、リチウムイオン電池。その開発者、吉野彰さん(69)=旭化成顧問=が今年七月、名城大(名古屋市天白区)教授に就任した。

 リチウムイオン電池は電気自動車(EV)にも使われており、温暖化防止など世界的な環境意識の高まりとともに評価がうなぎ上り。吉野さんは一四年、工学分野で最高峰の全米技術アカデミー「チャールズ・スターク・ドレイパー賞」を受賞し、ノーベル化学賞の最有力候補者と目される。

 「名城大は、自動車など製造業の一大拠点の中部地方にあり、世界的研究者が活躍している。世界に通用する技術や人材を、この地域から生み出していく手伝いができれば」と話す。

 名城大は終身教授の飯島澄男さん(78)も、物理、化学両賞で候補として名前が挙がる。ダイヤモンド並みの強度を誇る夢の新素材「カーボンナノチューブ(CNT)」を発見した。

 中部大(愛知県春日井市)教授の山本尚(ひさし)さん(74)は化学賞での受賞が期待される。医薬品開発などで活用される画期的な分子性酸触媒をつくり、「ロジャー・アダムス賞」を今年受賞した。その受賞者の多くは、後にノーベル賞を授与されている。

 免疫を調節する「制御性T細胞」を発見した大阪大特任教授の坂口志文(しもん)さん(66)=滋賀県長浜市出身=は、やはり世界的権威がある「ガードナー国際賞」の一五年の受賞者。本格的に研究を始めたのが、一九七七年から四年間所属した愛知県がんセンター(名古屋市千種区)だった。

 これまでの日本人受賞者二十五人のうち、ノーベル街道にゆかりがあるのは半数近い十二人。六人の受賞者を輩出した名古屋大のほか、二人の受賞者を生んだ宇宙観測施設「カミオカンデ」「スーパーカミオカンデ」(岐阜県飛騨市)や、昨年の医学生理学賞受賞者、大隅良典さんが「黄金の日々」を過ごした基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)など、ハイレベルな研究施設の存在が背景にある。

 名古屋市科学館の鈴木雅夫学芸員(54)は「ものづくりの伝統があり、地方でのびのびとできる環境が、独創的な研究を生み出したのでは。受賞は若い研究者や技術者、子供たちの励みになる。今年も受賞者が生まれてほしい」と期待した。

 ノーベル賞(自然科学分野)の発表は、医学生理学(二日)、物理学(三日)、化学(四日)と続く。

 (坪井千隼)

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