トップ > 一面 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

一面

電通社長、違法残業認める 東京簡裁で初公判

 広告大手電通の違法残業事件で、労働基準法違反罪に問われた法人としての同社の初公判が二十二日、東京簡裁(菊地努裁判官)で開かれた。山本敏博社長は起訴内容を認め「心からおわび申し上げる」と謝罪した。検察側は「会社の利益を優先し、労働者の心身の健康を顧みなかった」として罰金五十万円を求刑した。公判は即日結審し、判決は十月六日に言い渡される。

 二〇一五年十二月に新入社員の高橋まつりさん=当時(24)=が過労自殺したことに端を発した事件は、働き方改革の議論に大きく影響した。高橋さんの母幸美さん(54)も公判を傍聴した。

 検察側は冒頭陳述で、一五年に毎月百人以上の社員が労使協定を超える時間外労働をしていたと指摘し「労働基準監督署から是正勧告を受けたのに抜本改革をせず、業務量は変わらないままだった」と述べた。

 山本社長は弁護側の被告人質問で、まつりさんの過労自殺について「尊い命が失われたことを心より申し訳なく思う。このようなことを二度と繰り返さないことが私の最大の責務だ」と話した。閉廷後の記者会見では「あらためて責任の重さを胸に刻んだ」と語った。

 起訴状によると、電通はまつりさんら社員四人に、労使協定(三六協定)が定めた月五十時間を超え、一五年十〜十二月に三時間三十分〜十九時間二十三分の時間外労働をさせたとしている。

 重大事件を担当する東京労働局の過重労働撲滅特別対策班(通称・かとく)などが捜査に当たり、電通幹部らを書類送検。検察当局は今年七月五日、企業体質の問題で個人の責任が大きいとは言えないとして本社の幹部三人と、中部(名古屋市)、関西(大阪市)、京都(京都市)の三支社の幹部三人を起訴猶予とし、法人としての電通を略式起訴した。

 東京簡裁は書面による審理で刑を決める略式手続きは「不相当」とし、公開の正式裁判を開くと決めた。

 <電通の違法残業事件> 2015年4月に入社した高橋まつりさん=当時(24)=が同年12月に東京都内で自殺。三田労働基準監督署は16年9月、長時間労働が原因だったとして労災認定した。厚生労働省が今年4月までに法人としての電通と、高橋さんの上司を含む本支社幹部らを書類送検。検察は7月、高橋さんら従業員計4人に違法残業をさせたとして、電通を略式起訴し、幹部6人を不起訴とした。

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索