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米FRB、資産縮小決定 リーマン危機9年、脱却

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 【ワシントン=時事】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は二十日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、二〇〇八年のリーマン・ショック後の金融危機対応として大量の資金を市場に供給するために買い入れた、国債などの保有資産の縮小を十月に開始することを決めた。同様の対策を講じた日銀や欧州中央銀行(ECB)に先行し、量的緩和策の完全解除に着手。金利操作に代わり、資金量の調節で景気下支えを目指した異例の政策は正常化への転換点を迎えた。

 政策金利は年1・00〜1・25%に据え置き、ともに引き締め効果のある資産縮小と利上げの同時実施は避けた。今後の利上げについては、これまで「年内あと一回」としてきた想定を維持。ただ、物価動向の弱さを踏まえて一九年はペースの減速を見込んだ。

 イエレン議長は記者会見で「米国経済は好調で資産購入による景気刺激策はこれ以上必要ない」と、危機対応が節目を迎えたことを明言。「平常時は金利操作が最優先の手段だ」と強調した。

 FRBは一四年まで計三弾の量的緩和を実施し、保有資産は開始当初の約五倍の四兆五千億ドル(約五百兆円)に膨らんだ。第三弾の終了後も満期償還分を再投資して資産残高を維持してきたが、十月からは月額百億ドル(約一兆一千億円)のペースで残高を減らしていく。資産縮小のペースは段階的に引き上げていく計画だ。市場に出回る資金量を徐々に減らして景気過熱を防ぐとともに、次の景気後退時への備えとして再び緩和に踏み切る余地を増やす。

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◆Q&A 資産縮小とは

 Q 資産縮小とは。

 A 米国の中央銀行に当たるFRBが国債や有価証券の形で持っている資産を減らすことです。現在、FRBの資産は通常よりも極端に増え、二〇〇八年九月に起きたリーマン・ショックの前に比べ約五倍に膨れ上がっています。

 Q どうしてそんなことになったのですか。

 A 中央銀行は、平時なら金利を上げたり下げたりして、景気の過熱を防いだり刺激を図ったりします。しかし、リーマン・ショックによる経済への打撃は深刻で、金利の操作だけで対処できませんでした。そこでFRBは、国債などを大量に買い込むことで、世の中に出回るお金を増やし、景気を良くしようとしたのです。デフレ懸念に対応するため、日本や欧州でも同様の措置を講じました。

 Q 日本や欧州の中央銀行は今後どうするのですか。

 A 欧州中央銀行(ECB)は景気復調を受け、国債などの購入額を減らすことを十月に決める見通しです。一方、物価の伸び悩みに直面する日銀は大規模な金融緩和を続けざるを得ないとみられ、米欧と方向性の違いが鮮明です。

 Q FRBは今どうして減らす必要があるのですか。

 A 米国の景気が回復したためです。資産を大きいままにしておくと、景気過熱を招きかねません。そこで少しずつ減らす決断をしたのです。

 

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