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劉暁波氏を火葬、海へ 中国当局が埋葬で聖地化警戒か

15日、劉暁波氏の遺骨が入った骨つぼを海に沈める「海葬」に参列した妻の劉霞さん(右)=中国瀋陽市当局提供・共同

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 【瀋陽=浅井正智】中国のノーベル平和賞受賞者で十三日に死去した劉暁波氏(61)について、遼寧省瀋陽市の当局者は十五日に記者会見し、同日朝に市内の葬儀場で葬儀を営んだ後、火葬したと発表した。同日午後の会見には劉氏の長兄、劉暁光さん(68)も出席し、同日昼ごろ遺骨を入れた骨つぼを海に沈める「海葬」を行ったことを明らかにした。劉暁波氏の妻の劉霞さんは会見に出席しなかった。

 葬儀には劉霞さんや兄弟ら遺族六人が参列し、午前六時半という早朝から営まれた。当局者は火葬にしたことについて「家族の希望」と述べた。遺骨を墓に埋葬すれば民主活動家らの「聖地」になることを警戒し、当局が「海葬」にした可能性もある。

 劉氏の遺体の扱いを巡っては、香港メディアが十四日、遺族が冷凍保存を望んでいるのに対し、中国当局は速やかに火葬するとともに海葬することに同意するよう要求したと報道。会見で、市当局は遺骨の扱いについて「家族の意向を尊重する」としていた。

 会見では「葬儀と火葬を急いだのか」との質問も出されたが、当局者は「死去の三日目に葬儀を行うのはこの地方の習慣だ」と述べ、処理を急いだわけではないとの立場を強調した。

 妻の劉霞さんについて「自由はある」と話す一方、「悲しみの中にあり、邪魔が入らないよう望んでいる」と話し、軟禁状態にあることを正当化。今後焦点となる劉霞さんの出国に関しては「合法的な権利がある」と建前論を述べるにとどめた。実際に出国が許可されるかどうかは不明だ。

 午後の会見に同席した、劉氏の長兄、暁光さんは「海葬」の経緯について説明。それによると、数年前にいとこの女性が肝臓がんのため死去した際、海葬したことがあり、「弟も自分が亡くなった時には海葬を希望していた」という。最終的には遺族全員が同意書にサインしたとされる。

 「海葬」の場所は明らかにされていないが、暁光さんは遼寧省大連から会見場に駆けつけたといい、大連近海だったとみられる。

◆義兄「残酷だ」 実兄淡々「党に感謝」

 【北京=共同】劉暁波氏の葬儀への参加を当局に許可されなかった、劉霞さんの兄、劉●氏は十五日、北京で共同通信の電話取材に応じ、海葬について「残酷すぎる。言葉がない」と述べ、当局を厳しく非難した。

 【瀋陽=浅井正智】劉暁波氏の長兄、劉暁光さんが十五日、記者会見で語った言葉は不自然なほど共産党と政府への感謝にあふれていた。

 暁光さんは「予想を超える優れた医療技術を弟に提供してもらったことは、社会主義の優越性を示している」「党と政府に感謝したい。人間本位と人道主義を見た」。約二十分間、淡々とした表情で話し続けた。

 報道陣の関心は、当局が家族に対して「海葬」を強いたのではないかという点だったが、暁光さんは「私は長兄として、自発的に海葬の(同意書に)サインをするよう親族に促した」と述べ、あくまで遺族の希望だと主張。当局に配慮した発言の連続に、記者席からはため息も聞かれた。市政府の当局者が「暁光さんは疲れている」と言うと、暁光さんは退席。質問の機会がなかった報道陣は肩透かしを食った格好になった。

 ※●は丹に彩のつくり

 

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