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日本で難民不認定のパキスタン男性、カナダが永住権

 日本で難民と認められず、在留資格も得られなかったパキスタン国籍の男性(55)が今年四月、第三国のカナダから永住権を付与されていたことが分かった。日本の在留資格がないのに、第三国で永住権が認められるのは異例。名古屋難民弁護団事務局長の川口直也弁護士は「カナダは男性を事実上の難民だと認め、人道的配慮をしたのではないか」と評価する一方、日本の厳しい認定基準を批判する。

 男性はパキスタンでは少数派のキリスト教徒で、多数派のイスラム教徒からの迫害を恐れ、一九九三年に来日した。母親はほぼ同時期にカナダに逃れ、申請後間もなく難民認定された。男性もカナダへの移住を希望したが、日本の在留資格が得られないまま二〇〇四年ごろに不法滞在で逮捕され、名古屋入国管理局に収容された。

 その後、入管に難民認定を申請したが不認定に。さらに名古屋地裁に提訴したが認められず、名古屋高裁や最高裁でも覆らなかった。さらに二度の難民認定や在留資格の申請も認められなかった。

 最終的に、母親の難民認定手続きを行ったカナダの弁護士が同国政府と交渉。昨年八月、男性にも永住権の取得が許可された。男性には日本の在留資格はなかったため、国外への強制退去処分として今年三月にカナダに出国した。

 男性の代理人の川口弁護士によると、日本以外の国から永住権が認められて出国した事案は、少なくとも一四年に三件あるが、いずれも日本での在留資格者だったという。

 川口弁護士は「在留資格がない人間に、他国が永住権取得を認めるケースは聞いたことがない」とした上で、「日本はカナダと同じ難民条約に加盟しているのに、これほどの差があるのはおかしい」と批判した。

 

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