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<県境ものがたり> 越前加賀(5) 

京都・東本願寺から到着した蓮如上人の御影を乗せた御輿を担ぎ、本堂へ向かう地元の人たち=福井県あわら市の真宗大谷派吉崎別院で

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◆肩に「御影」信仰の歩み

 境内に太鼓や鐘の音が響く。四月二十三日午後八時前、浄土真宗中興の祖、蓮如上人の肖像画「御影(ごえい)」を、京都・東本願寺から門徒ら一行が歩いて運ぶ「御影道中」が到着した合図だ。

 迎え入れるのは福井県あわら市の真宗大谷派吉崎別院。蓮如が建立した吉崎御坊の跡地近くに建つ。境内で住民は提灯(ちょうちん)を掲げ、山門から本堂へ続く石段を照らす。御影が納められた御輿(おこし)は、一気に石段を駆け上がり本堂へ入った。

 三百年続くとされる御影道中。往路二百四十キロを七日間、復路二百八十キロを八日間かけ運ぶ。道端には膝をつき、御影に手を合わせるおばあさんも。一行の統率役「宰領(さいりょう)」を務めた千葉県成田市の航空機整備士橋爪昭人さん(44)は「まだこんな光景があるのか」と心を動かされた。道中には蓮如の遺徳が脈々と残る。

 地域の人口減少が進み、高齢化や宗教離れで吉崎参りの参詣者は減った。それでも同別院僧侶の波戸章さん(45)は宗教や徳が見直される「時と機」があるかもしれないと思う。「だれも平たんな道ばかり歩んでいるわけではないから」

 (写真・田中久雄、文・古田秀陽)

 「越前加賀」編は今回で終わり、次回は「飛越」編です。

 

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