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親権停止、昨年最多の83件 虐待・育児放棄で家裁

 虐待やネグレクト(育児放棄)などをした親に対し、全国の家庭裁判所が出した「親権停止」の決定が、昨年一年間は八十三件と過去最多だったことが、最高裁の集計で分かった。親権停止は二〇一二年四月に始まった制度で、最高裁は「児童相談所長による申し立てが増えたことが要因」と分析している。

 親を子どもから引き離す制度は、期限を設けない「親権喪失」が従来あるが、親子関係の修復が望みにくく、結果的には子どもの利益にならないとの指摘があった。民法改正で新設された親権停止は、家裁が審判で親権を最長二年間停止する仕組みだ。

 最高裁によると、親権停止決定は一二年十四件(親権喪失決定十七件)、一三年六十三件(同二十五件)、一四年四十件(同三十二件)、一五年五十八件(同二十一件)、昨年八十三件(同二十五件)だった。

 児童相談所長による停止申し立てが増加。一二年は十件(停止決定に至ったのは全十件)だったが、昨年は七十四件(同五十九件)に上った。

 子ども本人や親族からを含めた停止申し立ての総数も増加傾向にあり、昨年は初めて二百件を超えた。一方、喪失申し立ては百件前後で推移している。

 昨年の停止決定理由の内訳は、ネグレクト三十四件、身体的虐待十五件、心理的虐待十三件、性的虐待五件などだった。停止の対象は実母五十八人、実父三十一人だった(父母ともに停止されたケースを含む)。

 親権停止の期間中、子どもは児童養護施設に入所したり、親族に預けられたりすることが多い。

 厚生労働省の担当者は「小さい子どもの場合、長い目で親子関係の修復を図ることも必要だ。関係が断絶してしまう親権喪失より、期間を区切って親に改善を促すことができる親権停止の方が、利用しやすいのではないか」と話している。

 <親権> 親が未成年の子どもを保護・監督し、教育を受けさせたり、財産を管理したりする義務と権利。民法が定めている。虐待やネグレクト(育児放棄)がある場合、子ども本人や親族、児童相談所長、検察官の申し立てを受けて家裁が審判し、無期限に親権をなくす「親権喪失」や、最長2年間の「親権停止」の決定を出せる。不服がある親は審判で取り消しを求めることができる。

 

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