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小学卒業式、増える袴姿 華美な衣装、自粛呼び掛けも

小学生用の着物と袴のセット=愛知県豊明市の総合貸衣裳館Mai豊明本店で

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 3月は卒業式シーズン。各地の小学校で、和装で式に出席する女子児童が増えている。大学では広く見掛けるが、小学校でも昨年は、卒業生の3分の2が袴(はかま)姿という例も。ただ、保護者にとっては費用負担が悩みのタネだ。経済的事情などで着られない児童への配慮などから、一部地域では、学校側が自粛を求めるケースが出ている。

 「袴はピンクなどの明るめの色使いが人気。名古屋市内に続き、市周辺地域へのレンタル件数が急激に増えました」

 「総合貸衣裳館Mai」のブランドで、愛知県で七店の貸衣装店兼写真スタジオを運営する「ティーブライド」(愛知県豊明市)の水野真二・販促企画部長は、需要の高まりに手応えを話す。

 今シーズン、小学校の卒業生向けに着物や袴の貸し出しを予定しているのは、約千件に上る。子ども向けセットを本格的にそろえたのは二〇一四年。貸出件数は一五年が約五百件、一六年は八百件と年を追うごとに増えている。

 着物と袴のセットの貸出料は、約二万〜三万円。着付け代は別途必要だ。

 名古屋市天白区の「フォトスタジオアクエリアス」は、着物と袴の約百セットを用意。名古屋市の小学校の卒業式がある今月十六日は、八割ほど貸し出しの予約が入っている。

 レンタルを始めた一二年以来、年々引き合いが増え、本年度は子どもが六年生に進級して間もない四、五月に予約を入れる保護者が多かった。「五年生の時に、卒業する六年生の袴姿を見て、私も着たいと希望されるお子さんも多い」と同店。競技かるたが題材の人気漫画「ちはやふる」などの影響もあるという。

 一方、愛知県半田市教育委員会によると、市内の多くの小学校は昨年六月、保護者に、華美な衣装と袴姿の自粛を呼び掛けた。

 昨年三月の卒業式で、小学校によっては女子の三分の二が袴を着用。年々、和装が増えていることが教育委員会で話題となり、各校の判断で文書を出した。

 「『着せたくてもできない。仲間外れにされないか』という保護者の声もある。着慣れないため裾を踏んで転ぶ危険性もある」と、教育委員会の担当者は話す。同様の呼び掛けは同県武豊町でも行われている。

 岐阜県のある小学校に通う六年生女児の保護者は今年二月、学校側から袴姿の自粛を口頭で求められた。「娘のために着物と袴を買った。今さら自粛と言われても」と当惑している。

◆親も大学で着用

 <文化服装学院の朝日真専任教授(西洋服装史)の話> 大学の卒業式で袴姿が広がったのが一九九〇年代。そのときに経験した世代が親になり、和装への抵抗感が減っていることに加え、日本文化を再評価する流れもある。少子化で、一人当たりにお金をかけやすくなった面もあるのでは。

 (佐橋大、写真も)

 

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