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もしもし、引退ですか 日進の「ドライブスルー公衆電話」

車に乗ったまま通話ができる、ドライブスルー公衆電話を紹介するNTT西日本の三島勝美さん=愛知県日進市で

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 停車中のマイカーから電話できるとの触れ込みで平成初期に各地に登場した「ドライブスルー公衆電話」が、愛知県日進市で今でも稼働している。日本で現存する二カ所のうちの一つで、利用者の減少から廃止がささやかれる状況。天皇陛下の退位の意向を受けて平成の元号が来年限りとなる可能性も出ている中、平成の遺産として行方が注目されそうだ。

 日進市役所近くの県道からNTT西日本の敷地に入ると、公衆電話が二台並ぶ不思議な光景が広がる。通話の手順は一般的な公衆電話と同じ。「違うのは、運転席から受話器に手が届くところ」と、名古屋支店の広報担当、三島勝美さん(52)が実演してくれた。受話器コードの長さは百四十センチと通常の二倍。パソコンのデータ通信の接続口もあるが通信速度が遅く、今日の大容量データには向かないという。

 ドライブスルー公衆電話は、携帯電話の先駆けである「ショルダーホン」が発売された二年後の一九八七年、長野県千曲市で第一号が設置された。携帯電話に対抗し、公衆電話をPRする狙いがあった。全国の最盛期の台数は不明だが、現在も撤去されず残っているのは日進と島根県雲南市の二カ所だけ。設置時期では八九年十二月に設けられた日進が最古だ。

 当時の中日新聞地方版は「運転席から『もしもし』」の見出しで開設と先着二百人に景品を配ることを紹介。「若者の人気を集めそうだ」と予想していた。

 ドライブスルー公衆電話の利用者数は公表していないが、日進では一人も利用しない日も。NTTは利用状況や災害時の必要性を総合的に判断し、存続させるか毎年ふるいにかけているという。担当者は「廃止の可能性もある」と話す。

 公衆電話は八四年度末に全国で九十三万台余りがあったが、携帯電話に押されて現在では十七万台。ドライブスルー式は、寒い日や暑い日でもエアコンの効いた車内から話せる利点がある。NTTグループの関係者(49)は「自宅ではかけづらい恋人との電話に利用することもあった。往時の通信事情を反映したロマンが詰まっている」と話している。

 (小柳悠志、写真も)

 

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