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【夜回り先生のエッセー】

何でもいい、学び続けよう 継続はちから

 子どもたち、私は、お正月、三陸の東日本大震災被災地を車で回りました。家族を亡くした方々とお話をしたり、高齢者の方々と触れあったり、いまだに卒業後の進路が決まらない高校生たちの相談に乗ったり、忙しい日々を過ごしました。

 その帰りです。東北自動車道を走っていると、蔵王という山が見えました。私は、山形県で育ちました。蔵王は、山形県にある有名な山です。そして、その麓(ふもと)にスキー場のゲレンデが見えました。私は、子どものころから、学生時代、教員時代と、何度も蔵王のスキー場でスキーをしました。私は、スキーは相当の名手です。「そうだ、スキーをしよう」。私は、妻に電話を入れました。妻からは、「いい歳(とし)をして、スキーなんかやって、もし足でも骨折したらどうするの。昔名人でも、今はもう違うのよ」。ありがたい言葉が返ってきました。少しむっときました。

 私は、高速を降りて、すぐにスキー場に向かいました。スキーウエア、手袋、スキー一式を借りて、ゲレンデに。わくわくしました。数年ぶりのスキーです。すぐにリフトを乗り継ぎ、ゲレンデの一番上まで行きました。足元には、麓まで続くダウンヒル、そして麓の町が一望です。絶景でした。最初は、こわごわとボーゲンから、でもすぐにシュテム、そしてパラレル、こぶだらけの上級斜面を駆けるように滑り降り、最後の緩斜面は、ウェーデルンで。完璧でした。からだがきちんとスキーの技術を覚えていてくれました。それから二本滑走し、妻のありがたい言葉を思いだし、車に戻りました。

 子どもたち、こんなスキーのことを書いたことには理由があります。人は、一度技術や知識をきちんと身につければ、そう簡単にそれを忘れ失うことはありません。スキーなどの運動もそうですが、知識でもそうです。

 私は、高校時代から哲学や宗教学を勉強し続けてきました。できない学生でした。つらい日々でした。わからないことだらけ。いつもあたまをかゆくしながら、でも逃げることなく学び続けてきました。40年近くもそれを続けていくと、なかなかおもしろいものです。いろいろなことがわかるのではなく、見えてきます。今、私は、大学の教員としてそれを教えています。

 子どもたち、継続はちからです。一つのことをきちんと何年にも、何十年にもわたって、続けて学んでいくことは、人生にとってとても大きな力になります。君たちは、何か、一生学び続けようと考えていることがありますか。勉強でも、スポーツでも、歌でも、楽器でも、踊りでも、料理でも、何でもいいのです。ぜひ作りましょう。そしてどんなにつらくても、学び続けましょう。必ず、それが君の人生に最高の花を咲かせてくれます。

 

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