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共創 アジアへ

【ネット独自】ノリタケ小倉忠会長に聞く

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 ノリタケカンパニーリミテド(名古屋市)は、約四十五年前に進出したスリランカの工場を主力拠点に育て、今やノリタケ製洋食器の九割を生産している。スリランカとの関係や食器事業の将来について、小倉忠会長(67)に聞いた。(聞き手・酒井博章)

 ―スリランカにとって「ノリタケ」は特別な存在のようですね。

 「スリランカは長く内戦状態でした。主戦場は北部でも、中部にある私たちの工場まで影響があった。近くの密林で犠牲者が見つかった時期があったし、従業員が外出できない時期もありました。それでも撤退せず、操業を続けたことが高く評価されています。ノリタケを自国の大切な企業だと思ってくれていることがうれしい。スリランカの政府関係者が海外に行く際の手土産にノリタケの製品が使われていると聞いています。国の誇るべき製品だと捉えてくれ、光栄です」

 ―スリランカ工場は今や主力工場です。

 「日本と米国が高級食器の大きな市場でした。生活習慣の変化で二十年前と比べ、規模は十分の一程度にまで縮小し、国内外にあった工場の運営が厳しくなった。集約先を考えた時、労働条件が良く、労働者も勤勉で、何より親日国だったスリランカを選ぶことが決まりました」

 ―集約は一筋縄でいかなった。

 「日本国内の工場で作っていた製品にも対応できるよう、大量生産から少量多品種へスリランカ工場の機能を切り替えました。現場は混乱し、製品が思うように出てこない時期もありましたが、工場の技術力アップと同時に従業員らの意識改革に取り組みました。『ノリタケの主力工場として世界一の食器工場にしよう』と方向付け、従業員の軸を合わせたんです」

 ―食器事業は近年、赤字が続いています。今後をどう考えていますか。

 「食器事業は存続させたい。ノリタケのブランド力は食器が発信しています。食器だけが性別に関わらず知ってもらえ、海外でも知名度がある。知らない会社に新しいものを売り込む時、食器のブランド力でノリタケを信用していただいているので商談に持ち込める。これは何事にも代え難いことです」

 「これからもスリランカの工場は残します。最近、スリランカの人たちは自分たちが何を求められているか、営業部門と積極的に議論するようになってきました。工場設備についても自分たちで欧州の展示会を視察し、取り入れようとしている。本当の意味でノリタケの工場になってきた。カジュアルな洋食器に加え、さまざまな色や形の品ぞろえを増やし顧客満足度を高めようとしていますが、なかなか黒字化は難しいでしょう。ただ、こうしたスリランカの動きがあるからこそ、食器事業は再生の余地があると思っています」

 

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