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丸栄 思い出ありがとう

思い出百貨店 千客万来 最終日ドキュメント 

閉店セールが行われ大勢の客でにぎわう売り場=栄の丸栄で

写真

 三十日、七十五年の歴史に幕を下ろした栄の老舗百貨店「丸栄」。営業最終日のこの日は、多くの人で一日中にぎわった。中には、幼いころ屋上の遊園地に通った常連客や、接客を担当した元従業員の姿も。それぞれが閉店を惜しんだ一日を、ドキュメントで追った。

 8・45 七階で全体朝礼。従業員が集まり、各部の部長らがあいさつ。「今日一日で全ての笑顔を出し尽くせ。丸栄発進。行くぞー」「おーっ」と掛け声が上がる。

 9・33 玄関前。買い物客が続々と集まる。入り口横の柱やドアとともに記念写真。中川区の主婦(82)は「何十年も通った。自分の年代に合うものがたくさんあって使いやすかった」。ガラス越しの店内では、売り場店員がショーケースを磨き上げる。

 10・00 開店。子ども連れからお年寄りまで客層ゆたか。一九七〇年に入社した元社員の女性四人は約二十年ぶりにそろって店内へ。当時の制服写真を見せ合い「この辺の入り口で接客したよね」と思い出話。

 10・20 七階で開催中のパネル展では、七十五年のあゆみを写真やジオラマなどで紹介。スタッフや客からのメッセージも随所に。一つ一つ読んでは涙する客も。

 11・00 一階エレベーター前の椅子。東郷青児作の扉をながめていた尾張旭市の後藤勝子さん(78)は「良い作品で無くすのはもったいない。今日は座ってじっくり味わう」

 14・50 二階から一階に降りるエスカレーターが一時的に動かなくなる。買い物客らは裏側の階段へ。「あまりにも人が多かったせいかもしれない。原因は不明です」と従業員。

 15・25 千種区のパート河野和治さん(80)は、丸栄の外観をカメラで撮影。「子どものころ、屋上にあった遊園地で遊んだのを思い出す」としみじみ。六階でシャツを購入したが、「レジ前が長蛇の列で、一時間くらい待った」。

 16・20 屋上のビアガーデンも最終日。昼間から酒を酌み交わす人たちでにぎわった。同僚と訪れた瀬戸市の男性会社員(33)は「メニューが豊富だったので、これまでに二回来た。最終日にも来られて、良い思い出になった」と赤ら顔で話した。

 17・55 丸栄の文字がプリントされた買い物袋を抱えた客が、徐々に帰り始める。玄関付近では「あと一時間で閉店、寂しいね」と話す夫婦の姿も。

 19・00 閉店とするが、まだレジでの精算が続く。

 19・58 シャッター下りる。

 

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