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丸栄 思い出ありがとう

丸栄で「百貨店落語」 高島屋進出! お人よしだったのは…

名古屋に高島屋が進出する前の百貨店業界を題材にした落語を披露する雷門福三さん=2日、名古屋・栄の丸栄で

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 七十五年の歴史に幕を下ろし、六月末に閉店する百貨店の丸栄(名古屋・栄)で二日、名古屋市出身で愛知県尾張旭市在住の落語家、雷門(かみなりもん)福三さん(54)が自作の演目「高島屋夜明け前」を披露した。館内にお客さんの笑い声が響いた。

 落語は、ジェイアール名古屋高島屋(名駅)の開業を翌年に控えた一九九九年が舞台。松坂屋、名古屋三越、名鉄、丸栄の「4M」と呼ばれた名古屋の四つの百貨店を擬人化し、個性的なキャラクターを福三さんが名古屋弁で演じ分けた。

 高島屋の進出が分かり「売り上げが下がってまって営業できやーん」「うちの三越だって影響出てまうで、何とかしよまい」と焦る名鉄と三越。一番の老舗としてどっしり構えた松坂屋。4Mが協力して対抗策を打つべきか議論する中で、お人よしの丸栄は「僕はお客さんの笑顔を見るためにデパートをやっている。高島屋さんを歓迎しよう」と呼び掛ける。

 歴史は二番目に古いが、売り上げは低迷する丸栄が「老舗なのにあの体たらくか」と評される場面もあり、高島屋開業前の4Mがユーモアと皮肉たっぷりに表現された。

 立ち見客も出た会場は笑い声であふれたが、どこか寂しそうな客の姿も。名古屋市千種区の主婦永井加代子さん(81)は「穏やかな雰囲気で落ち着くこの店がなくなると…」と惜しんだ。

 福三さんは九年ほど前から銭湯やきしめん店などでこの演目を披露してきたが、昨年末に閉店が発表されたのをきっかけに「丸栄さんでやらせてもらえないか」と依頼、一日限りの独演会が実現した。

 「閉店しても丸栄は落語の中で生き続ける」と福三さん。これからも演じ続けるつもりだ。

 

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