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知るコレ!

世界が楽しむ いやし効果 バラの香り

ゼリーと生クリームなどで「ローズパフェ」=神奈川県川崎(かながわけんかわさき)市で

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 見た目の美(うつく)しさとともに、特(とく)にその香(かお)りが愛(あい)されている花といえばバラではないでしょうか?「花の日」で「鼻(はな)の日」でもある今月7日を前に、バラの香りの仕組(しく)みや効果(こうか)、生活の中での楽しみ方について調(しら)べてみました。 (辻紗貴子(つじさきこ))

 岐阜県可児(ぎふけんかに)市の「花フェスタ記念(きねん)公園」理事(りじ)の上田善弘(うえだよしひろ)さん(62)に詳(くわ)しく聞きました。バラの野生種(やせいしゅ)は北半球(きたはんきゅう)に分布(ぶんぷ)し、紀元前(きげんぜん)12世紀(せいき)ごろには人が栽培(さいばい)していたといわれます。「バラの香(かお)りに薬用効果(やくようこうか)や儀式(ぎしき)などでの精神的(せいしんてき)な働(はたら)きを求(もと)めたのが始(はじ)まり。有史以来(ゆうしいらい)人に最(もっと)もなじみのある植物(しょくぶつ)と言えるでしょう」

 栽培は古代(こだい)ペルシャに始まり、中近東(ちゅうきんとう)やローマなどに引き継(つ)がれ、次第(しだい)に観賞(かんしょう)用にもめでられます。ヨーロッパでは18世紀末(まつ)から19世紀半ばまでに中国(ちゅうごく)や日本のバラが紹介(しょうかい)され、品種改良(ひんしゅかいりょう)が盛(さか)んになりました。ヨーロッパと東洋(とうよう)のバラを交配(こうはい)してできたバラは「現代(げんだい)バラ」と呼(よ)ばれます。その香りは交配に使(つか)われたバラによって特徴(とくちょう)があり、7種類(しゅるい)に分類されます。

 「そもそも植物に花があるのは受粉(じゅふん)し子孫(しそん)を残(のこ)すためです」。花粉を運(はこ)ぶ鳥や虫を、その好(この)みの色や香りでおびき寄(よ)せるのです。しかし、現在(げんざい)出回っているバラには香りのない品種もあります。なぜでしょう。

 戦後(せんご)、切り花用の品種は見た目が優先(ゆうせん)され、花が大きく形が良(よ)く、長持(ながも)ちするよう改良が進(すす)み、香りのある品種が減(へ)りました。バラの香りは主(おも)に花びらの表皮細胞(ひょうひさいぼう)で作られ、受粉さえ済(す)めば花びらは落(お)ちます。「香りがなければ虫は来ず受粉もしない。結果(けっか)、花が長持ちします」。1980〜90年代、世界(せかい)的に香りの魅力(みりょく)が再評価(さいひょうか)され、最近(さいきん)は香りが良く比較(ひかく)的長持ちする品種も登場(とうじょう)しています。

 人をリラックスさせたり、刺激(しげき)を受(う)けた皮膚(ひふ)の回復(かいふく)を促(うなが)したりする効果も分かっています。化粧品(けしょうひん)メーカーの資生堂(しせいどう)は90年ごろ、バラの香気成分(こうきせいぶん)「ジメトキシメチルベンゼン」を人がかぐと、ストレスを感(かん)じた時に分泌(ぶんぴつ)されるホルモン、コルチゾールの濃度(のうど)が下がることを発見(はっけん)しました。

 2002年には20代の女性(じょせい)16人を対象(たいしょう)にした実験(じっけん)で、皮膚をごく薄(うす)くはがして表皮から逃(に)げる水分量(りょう)を計測(けいそく)し、3時間後に皮膚を守(まも)る機能(きのう)の回復率(りつ)を調(しら)べたところ、香りをかいだ方が、かいでいないよりも約(やく)20%高いという結果が出ました。この成分は基礎(きそ)化粧品などに活用されています。

 日本ローズライフコーディネーター協会代表(きょうかいだいひょう)の元木(もとき)はるみさん(55)に、バラの香(かお)りを気軽(きがる)に生活の中で楽しむ方法(ほうほう)を教えてもらいました。元木さんは神奈川県川崎(かながわけんかわさき)市の自宅(じたく)の庭(にわ)で約(やく)250種(しゅ)のバラを育(そだ)てています。

 代表例(れい)はドライポプリ。元木さんのお薦(すす)めは「マイカイ」や「食香(しょっこう)バラ」という花びらが柔(やわ)らかい種類(しゅるい)です。クッキングシートに花びらを1枚(まい)ずつ広げ、5日〜1週間、室内の日が当たらない場所(ばしょ)に干(ほ)して、できあがりです。乾燥(かんそう)させたレモングラスやラベンダーなどを交ぜてもいいです。花の季節(きせつ)を過(す)ぎてもポプリにしておけば2カ月ほど香ります。

 乾燥させた花びらは紅茶(こうちゃ)の茶葉(ちゃば)と一緒(いっしょ)にポットに入れてお湯(ゆ)を注(そそ)いで飲(の)むこともできます。「香りが強すぎない茶葉を合わせるといいのでは」

 3〜5輪(りん)の花びらをほぐして水洗(みずあら)いし、砂糖(さとう)大さじ3、水300ミリリットル、レモン汁(じる)小さじ1、ペクチン大さじ1を加(くわ)えて煮詰(につ)めればジャムに。ペクチンを粉(こな)ゼラチン5グラムに代(か)えて煮て冷(ひ)やせばゼリーになります。バラの香りがほのかに口の中で広がります。

 ただし、「必(かなら)ず無農薬栽培(むのうやくさいばい)のバラを使(つか)ってください。安全性(あんぜんせい)はもちろん、香りもやっぱり違(ちが)いますよ」。元木さんは「大切に育てたバラを鑑賞以外(かんしょういがい)にも楽しめるとよりうれしいですよね」と話しました。

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