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知るコレ!

音声で指示 AIが認識 スマートスピーカー

スマートスピーカーを愛用(あいよう)する寺西(てらにし)さん=名古屋(なごや)市港区(みなとく)の名古屋盲人情報文化(もうじんじょうほうぶんか)センターで

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 ニュースのチェックや音楽の再生(さいせい)、メッセージのやりとりや買い物(もの)…。これはスマートフォンの機能(きのう)ではありません。すべてスピーカーに話し掛(か)けるだけでできるのです。それが、インターネットに常時接続(じょうじせつぞく)し、人工知能(じんこうちのう)(AI(エーアイ))を搭載(とうさい)して音声を認識(にんしき)するスマートスピーカー。日本でも急速(きゅうそく)に普及中(ふきゅうちゅう)で、使(つか)い勝手(がって)や注意点(ちゅういてん)を調(しら)べてみました。 (宮崎厚志(みやざきあつし))

 「エコー、今日のニュースは?」。名古屋(なごや)市在住(ざいじゅう)の福祉法人職員(ふくしほうじんしょくいん)、寺西善彦(てらにしよしひこ)さん(34)は、帰宅直後(きたくちょくご)にスマートスピーカーに話し掛(か)けるのが日課(にっか)。すぐに設定(せってい)しておいたニュースサイトの記事(きじ)が読み上げられます。「ミスチルかけて」と略称(りゃくしょう)で言っても、ロックバンド「ミスターチルドレン」の曲(きょく)がきちんと流(なが)れます。寺西さんは視覚障害者(しかくしょうがいしゃ)。「おもちゃみたいな感(かん)じかな」とさほど期待(きたい)せずに今年2月に入手したスマートスピーカー「アマゾンエコー」の性能(せいのう)に、いい意味(いみ)で大きく裏切(うらぎ)られました。

 昨年(さくねん)10月に日本でも発売(はつばい)されたスマートスピーカーは、現在約(げんざいやく)15機種(きしゅ)まで増加(ぞうか)。搭載(とうさい)されているAI(エーアイ)は大きく分けると3種類(しゅるい)で、それぞれに得意不得意(とくいふとくい)はありますが、いずれも会話ができます。「OK(オーケー)、グーグル」といった起動(きどう)させるための「ウェイクワード」を言い、指示(しじ)の言葉(ことば)を続(つづ)けます。過去(かこ)のやりとりは蓄積(ちくせき)され、よりスムーズな会話になるように進化(しんか)していきます。

 これに連動(れんどう)するように、「聴(き)く新聞」も登場(とうじょう)しています。音声メディアアプリ「Voicy(ヴォイシー)」を運営(うんえい)する会社のVoicyは、複数(ふくすう)の新聞社やテレビ局(きょく)と組んでスマートスピーカーに音声ニュースを提供(ていきょう)。日替(ひが)わりの専属(せんぞく)ナレーターによる温(あたた)かみのある声で、短時間(たんじかん)でいくつかの主要(しゅよう)な記事が読み上げられます。代表(だいひょう)の緒方憲太郎(おがたけんたろう)さんは「新聞の小さな文字を読むのが難(むずか)しい高齢者(こうれいしゃ)や読み書きのできない幼児(ようじ)にも届(とど)きます。スマホを持(も)たなくても使(つか)えるので、まったく新しいメディアと思ってもらった方がいい」と力を込(こ)めました。

 寺西さんは、家電との連係(れんけい)にも期待しています。視覚障害者は部屋の明かりを消(け)し忘(わす)れることが多く、エアコンの温度(おんど)設定も体感温度が頼(たよ)り。「『28度に設定して』とか、『電気消して』と言うのが楽しみ。生活にわずらわしさがなくなる」。今以上(いじょう)に“相棒(あいぼう)”になる日は遠くなさそうです。

 昨年末(さくねんまつ)にスマートスピーカーの売り場を設(もう)けたビックカメラ名古屋JR(なごやジェイアール)ゲートタワー店では、欠品(けっぴん)が数週間続(つづ)く人気ぶりでした。現在(げんざい)も週末は1日80個(こ)ほど売れており、店長代理(だいり)の副島弘次(そえじまこうじ)さんは「2年後には一家に1台、10年後には各(かく)部屋に1台置(お)かれるほどの勢(いきお)いです」と予想(よそう)します。大手コンサルティング会社のアクセンチュアが国内の1000人に行ったデジタル消費者調査(しょうひしゃちょうさ)では、2018年中に所有(しょゆう)、または所有するつもりの人は16%いました。

 ただ、プライバシーの保護(ほご)やセキュリティー面(めん)ではまだまだ発展途上(はってんとじょう)の技術(ぎじゅつ)のようです。5月にはアメリカで偶然(ぐうぜん)が重(かさ)なり、ある夫婦(ふうふ)の会話が他人(たにん)に転送(てんそう)されていたという出来事(できごと)も起(お)こりました。テレビの音声に反応(はんのう)することもあり、副島さんによると、アメリカではわざとスマートスピーカーに反応させるようなCM(シーエム)も流(なが)されたそうです。

 購入(こうにゅう)した人は、グーグルやアマゾンなどのサービス提供(ていきょう)会社への利用登録(りようとうろく)が必要(ひつよう)です。「快適(かいてき)な体験(たいけん)を得(え)られるのは、個人情報(こじんじょうほう)の提供と引き換(か)えです」とアクセンチュアの中村健太郎(なかむらけんたろう)マネジング・ディレクター。「インターネットに常(つね)に接続(せつぞく)されている以上(いじょう)、会話内容(ないよう)が漏(も)れるリスクも十分認識(にんしき)することが大切です」と注意(ちゅうい)を促(うなが)しました。

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