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知るコレ!

はだしで自然な走り方 ベアフット・ランニング

はだしランニングを楽しむ教室の参加者(さんかしゃ)=名古屋(なごや)市北区(きたく)の名城公園(めいじょうこうえん)で

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 はだしで走る「ベアフット・ランニング」が近年、世界的(せかいてき)に広まっています。人間本来の無理(むり)のない走り方として、昨年放送(さくねんほうそう)されたテレビドラマでも話題(わだい)になりました。どのような特長(とくちょう)があるのでしょうか。足は痛(いた)くないのでしょうか。「日本ベアフット・ランニング協会(きょうかい)」代表理事(だいひょうりじ)の吉野剛(よしのつよし)さん(43)を取材(しゅざい)しました。 (宮崎厚志(みやざきあつし))

 3月10日、名古屋(なごや)市北区(きたく)の名城公園内(めいじょうこうえんない)の広場で吉野(よしの)さんによる「ナチュラルランニング教室」が開催(かいさい)されました。約(やく)20人の参加者(さんかしゃ)はほとんどがはだし。足の裏(うら)から伝(つた)わる土のヒンヤリとした感触(かんしょく)が、靴(くつ)に慣(な)れた足には新鮮(しんせん)に感(かん)じます。足音を立てない猫(ねこ)のような走り方をめざし、独自(どくじ)の練習(れんしゅう)に取(と)り組みました。

 現代(げんだい)のランニングは、スピードを出すために歩幅(ほはば)を広くし、膝(ひざ)が伸(の)びた状態(じょうたい)でかかとから着地(ちゃくち)する走り方が主流(しゅりゅう)。そのため、かかとにクッションのあるシューズが長年開発(かいはつ)され続(つづ)けてきました。しかし、かかとは足の中でも細く硬(かた)い箇所(かしょ)。路面(ろめん)から繰(く)り返(かえ)し受(う)ける衝撃(しょうげき)で膝や腰(こし)を痛(いた)めるランナーが多くいます。

 そんな中、人間本来の走り方として注目(ちゅうもく)が高まってきたのがベアフット・ランニング。足幅の最(もっと)も広い前足部(ぜんそくぶ)で着地し、衝撃を足のたわみ(アーチ)とふくらはぎの筋肉(きんにく)で吸収(きゅうしゅう)します。また、体の中心の真下(ました)に着地することで、後方への力がかかることなく、前に進(すす)む力を維持(いじ)できます=図。無理(むり)なく継続(けいぞく)できる走り方です。

 ただ、単(たん)にはだしで走れば良(よ)いわけではありません。吉野さんは「子どもは自然(しぜん)と身(み)に付(つ)きますが、大人がいきなりやると足の甲(こう)を痛めます」と注意(ちゅうい)を促(うなが)します。それでもベアフット・ランニングを身に付けると体が変(か)わります。10年以上(いじょう)続けている吉野さんの足の裏の皮(かわ)は厚(あつ)いのですが、足自体はとても柔(やわ)らかくなっています。はだしでいることで足を形成(けいせい)している小さな骨同士(ほねどうし)がゆるみ、小石や木の枝(えだ)などを踏(ふ)んでもほとんど痛みを感じることはなくなるそうです。

 子どもにとってもはだしで運動(うんどう)をする効果(こうか)はあるようです。幼児期(ようじき)のはだし教育(きょういく)について研究(けんきゅう)してきた鹿屋体育(かのやたいいく)大特任教授(とくにんきょうじゅ)の西沢昭(にしざわしょう)さん(68)によると、はだしで過(す)ごしている子どもは足の指(ゆび)が広がり、足幅が大きくなる傾向(けいこう)があるそうです。福岡県内(ふくおかけんない)の幼稚園(ようちえん)で10年間にわたってはだし教育の効果を調(しら)べたところ、実施(じっし)前後でけがの件数(けんすう)が約半数に減少(げんしょう)。西沢さんは「足の指をしっかりと使(つか)って運動することで、敏(びん)しょう性(せい)やバランス感覚(かんかく)が養(やしな)われたと思われます」と説明(せつめい)します。

 世界的(せかいてき)なベアフット・ランニングブームの火付(ひつ)け役(やく)となったのは、2009年にアメリカで発行(はっこう)され世界で300万部(ぶ)のベストセラーとなった本「BORN(ボーン) TO(トゥ) RUN(ラン)」でした。日本では、アメリカの大学院(だいがくいん)で研究(けんきゅう)をしていた吉野(よしの)さんが10年に帰国して「日本ベアフット・ランニング協会(きょうかい)」を設立(せつりつ)。国内外の多くの小学校などで講習(こうしゅう)を行っています。公認(こうにん)クラブは全国(ぜんこく)9地域(ちいき)にあり、今年7回目となる5月開催(かいさい)の「飯能(はんのう)ベアフットマラソン」(埼玉県(さいたまけん))には約(やく)400人のはだしランナーが集(あつ)まります。

 愛知(あいち)県でも一昨年(いっさくねん)10月に「裸足(はだし)ランニングクラブ愛知」が誕生(たんじょう)。約30人の会員(かいいん)が月に一度(ど)、名城公園(めいじょうこうえん)などで活動(かつどう)しています。けがの予防(よぼう)のため姉妹で参加(さんか)している同県阿久比(あぐい)町の小学5年生・沢田佳鈴(さわだかりん)さんは小学生の中距離(きょり)走の大会で好成績(こうせいせき)を挙(あ)げており、「友達(ともだち)からは『なんではだしなの!?』って言われるけど、はだしの方が気持(きも)ちがいい」と笑顔(えがお)。また、はだしランニング歴(れき)4年の宮田好美(みやたよしみ)さん(60)は3月の名古屋(なごや)ウィメンズマラソンにはだしで出場し、4時間17分38秒(びょう)で完走(かんそう)しました。

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