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知るコレ!

日頃の心構えが大切 防災の新ワード

シェイクアウト訓練(くんれん)で机(つくえ)の下に隠(かく)れる児童(じどう)たち=愛知県犬山(あいちけんいぬやま)市犬山北小で

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 東日本大震災(だいしんさい)から今日で7年。この間、熊本(くまもと)地震などが発生(はっせい)し、私(わたし)たちが住(す)む地域(ちいき)もいつ地震に襲(おそ)われるか分かりません。最近(さいきん)広まっている新しい防災(ぼうさい)ワード(用語)から、備(そな)えについて考えてみましょう。 (那須政治(なすまさはる))

 2月下旬(げじゅん)の愛知県犬山(あいちけんいぬやま)市犬山北小学校。休み時間に突然(とつぜん)、けたたましい緊急地震速報(きんきゅうじしんそくほう)のアラーム音が響(ひび)きました。教室の児童(じどう)は即座(そくざ)に机(つくえ)の下に隠(かく)れ、廊下(ろうか)や校庭(こうてい)にいた児童はダンゴムシのようにその場で頭を抱(かか)えて縮(ちぢ)こまりました。

 これは全校一斉(ぜんこういっせい)の「シェイクアウト訓練(くんれん)」の一幕(ひとまく)です。しばらくして、スピーカーから「姿勢(しせい)を低(ひく)く、頭を守(まも)り、じっとする。この3つの行動(こうどう)ができましたか」と先生の声が。定期的(ていきてき)な訓練の成果(せいか)もあり、全員(ぜんいん)がばっちりできました。

 地震で死傷者(ししょうしゃ)が出た時、主(おも)な原因(げんいん)は、揺(ゆ)れではなく、建物(たてもの)の倒壊(とうかい)による圧迫(あっぱく)や窒息(ちっそく)、屋根瓦(やねがわら)など重(おも)い物やガラスなどの落下(らっか)、飛(と)び散(ち)りとされます。「3つの行動」は、地震が起(お)きた瞬間(しゅんかん)にとる最善(さいぜん)の策(さく)として、日本では長らく学校などで教えられてきました。

 シェイクアウトと呼(よ)ばれるようになったのは2008年です。英語(えいご)で「地震を吹(ふ)き飛ばせ」の意味(いみ)で、日本の教えに感銘(かんめい)を受(う)けたアメリカの地震研究(けんきゅう)チームが名付(なづ)け、国内外に発信(はっしん)。日本にも東日本大震災(だいしんさい)後の12年に言葉(ことば)が“輸入(ゆにゅう)”されました。

 「その場で3分でできる訓練」ともいわれる手軽(てがる)さが受け、自治体(じちたい)や企業(きぎょう)などに拡大(かくだい)。昨年(さくねん)は全国で666万人がシェイクアウト訓練に参加(さんか)したと集計(しゅうけい)され、今も各地(かくち)で予定(よてい)されています。用語によって行動の大切さが再認識(さいにんしき)された形です。

 普及(ふきゅう)に努(つと)める防災(ぼうさい)の専門家団体(せんもんかだんたい)「シェイクアウト提唱会議(ていしょうかいぎ)」の沢野次郎事務局長(さわのじろうじむきょくちょう)(59)によると、日本では1995年の阪神(はんしん)大震災後に揺れからどう身(み)を守るかが意識され、東日本大震災で訓練の機運(きうん)が一気に高まったといいます。

 沢野さんは「頭で分かっていても、定期的に訓練しなければ、いざというときに行動できないもの。地震はいつどこで起きるか分からないので、自宅(じたく)、路上(ろじょう)、寝室(しんしつ)などいろんな場面(ばめん)を想定(そうてい)して瞬時の動(うご)きを確認(かくにん)してみてね」と話します。

 非常食(ひじょうしょく)には、新しい考え方が浸透(しんとう)しています。英語(えいご)で「食べ回しながら備蓄(びちく)する」を意味(いみ)する「ローリングストック」です。

 非常食といえば、水、缶詰(かんづめ)、レトルト食品(しょくひん)、ビスケットなどの長期保存可能(ちょうきほぞんかのう)な食品を数日分蓄(たくわ)えるのが一般的(いっぱんてき)。ただこの場合、気付(きづ)いたら消費期限(しょうひきげん)を大幅(おおはば)に過(す)ぎ、仕方(しかた)なく捨(す)てるという失敗(しっぱい)も少なくありません。

 ローリングストックのポイントは、多めに買った保存食を古い順(じゅん)に食べ、食べた分を買い足す点です。国も数年前から提唱(ていしょう)し、防災(ぼうさい)の新常識(しんじょうしき)になっています。

 災害支援活動(さいがいしえんかつどう)をする名古屋(なごや)市の認定NPO法人(にんていエヌピーオーほうじん)「レスキューストックヤード」の代表理事(だいひょうりじ)栗田暢之(くりたのぶゆき)さん(53)は「食料(しょくりょう)備蓄はできれば1週間分を。単体(たんたい)で食べる物(もの)だけでなく、例(たと)えばチーズかまぼこなら副食(ふくしょく)(おかず)の一種(いっしゅ)に加(くわ)えることができ、料理の幅(はば)が広がります」とアドバイスをくれました。

 電気やガスが止まった際(さい)に頼(たよ)りになるカセットこんろも必須(ひっす)です。栗田さんはローリングストックについて「多めに買い、常(つね)に絶(た)やさないのがポイント。非常食に限(かぎ)らず、米などいつも食べる食料も、購入(こうにゅう)時の量(りょう)の半分を切ったら買い足す癖(くせ)をつけると備蓄になります」と話します。常日頃(つねひごろ)できる小さな心構(こころがま)えと備(そな)えが、いざというときに大きな差(さ)を生むかもしれません。

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