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知るコレ!

住みやすい地球のこそう SDGs

SDGs(エスディージーズ)のパネルを見る米野(こめの)小の児童(じどう)たち =名古屋(なごや)市中村区(なかむらく)の「なごや地球(ちきゅう)ひろば」で

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 「SDGs(エスディージーズ)」って、聞いたことはありますか。「持続可能(じぞくかのう)な開発目標(かいはつもくひょう)(Sustainable(サステナブル) Development(ディベロップメント) Goals(ゴールズ))」の略(りゃく)で、人間が住(す)みやすい地球(ちきゅう)を将来(しょうらい)の世代(せだい)に引き継(つ)ぐため、2030年に向(む)けて世界(せかい)が合意(ごうい)した目標です。1人1人がどう行動(こうどう)すべきかを考えるきっかけにもなり、授業(じゅぎょう)で活用する小学校もあります。 (佐橋大(さはしひろし))

 名古屋(なごや)市中村区(なかむらく)にある国際協力機構中部国際(こくさいきょうりょくきこうちゅうぶこくさい)センター(JICA(ジャイカ)中部)の体験型施設(たいけんがたしせつ)「なごや地球(ちきゅう)ひろば」。そこに、SDGs(エスディージーズ)の17の目標(もくひょう)を示(しめ)すパネルがあります。昨年(さくねん)10月、展示(てんじ)が始(はじ)まりました。

 今月16日、施設の見学に来た同区の米野(こめの)小学校5年生に、JICA中部職員(しょくいん)の後藤千明(ごとうちあき)さんは「世界(せかい)には、ご飯(はん)を食べるとか、当たり前のことができない地域(ちいき)もあります。SDGsは、そうした問題(もんだい)がなくなるように世界を変(か)えるための目標です」と説明(せつめい)しました。

 地球上の人が健(すこ)やかに暮(く)らし続(つづ)けるには、飢餓(きが)や不平等(ふびょうどう)をなくすほかに、良好(りょうこう)な自然環境(しぜんかんきょう)も必要(ひつよう)です。慶応(けいおう)大大学院(だいがくいん)の蟹江憲史教授(かにえのりちかきょうじゅ)は「二酸化炭素(にさんかたんそ)の排出(はいしゅつ)が増(ふ)え、広大な熱帯雨林(ねったいうりん)が失(うしな)われるなど、地球環境は深刻(しんこく)な危機(きき)に直面(ちょくめん)しています。地球のことも、社会のことも考えた発展(はってん)でないと、良(よ)い未来(みらい)になりません」と述(の)べます。こうした考えからSDGsは2015年、国際連合(れんごう)(国連)のすべての加盟国(かめいこく)193カ国が合意(ごうい)してできたのです。

 17の目標=表参照(ひょうさんしょう)=には、「貧困(ひんこん)をなくそう」「飢餓(きが)をゼロに」といった生活の改善(かいぜん)、「つくる責任(せきにん) つかう責任(持続可能(じぞくかのう)な生産消費形態(せいさんしょうひけいたい)を確保(かくほ)する)」「気候変動(きこうへんどう)に具体的(ぐたいてき)な対策(たいさく)を」など環境問題への対応(たいおう)、「人や国の不平等をなくそう」など社会を良くする内容(ないよう)があり、互(たが)いに密接(みっせつ)に関係(かんけい)しています。

 具体的に169の項目(こうもく)(ターゲット)も定(さだ)めました。例(たと)えば、それぞれの国が30年までに、貧困状態(じょうたい)の人の割合(わりあい)や、小売り・消費レベルで1人当たりの食料(しょくりょう)の廃棄量(はいきりょう)を半減(はんげん)させる、といった行動(こうどう)です。すべての国は目標に向(む)け努力(どりょく)することを求(もと)められています。

 国内でも滋賀県(しがけん)は昨年1月、県の政策(せいさく)にSDGsの考え方を取(と)り入れると宣言(せんげん)。SDGsに合うかどうかという視点(してん)で政策を決(き)めています。「滋賀県を、ずっと暮らしやすい地域にするため」と担当者(たんとうしゃ)は話します。

 SDGs(エスディージーズ)を、授業(じゅぎょう)に取(と)り入れる学校もあります。

 愛知県武豊(あいちけんたけとよ)町の富貴(ふき)小学校の6年生は、2学期(がっき)の総合的(そうごうてき)な学習(がくしゅう)でSDGsを学び、17日には、冬休みに調(しら)べた成果(せいか)を1人1人が発表(はっぴょう)しました。

 「世界(せかい)の9人に1人が飢餓(きが)に苦(くる)しんでいる」といった飢(う)えや、温暖化(おんだんか)、水陸(すいりく)の環境悪化(かんきょうあっか)の現状(げんじょう)と、その解決(かいけつ)を目指(めざ)す企業(きぎょう)やNPO(エヌピーオー)の取り組みをインターネットなどで調べ、紙にまとめました。「私(わたし)にできること」も考え、書きました。「感謝(かんしゃ)して食べる」(飢餓をゼロに)、「エアコンの温度設定(おんどせってい)を変(か)える」(気候変動(きこうへんどう)に具体(ぐたい)的な対策(たいさく)を)、「節水(せっすい)をする」(安全(あんぜん)な水とトイレを世界中に)、「募金(ぼきん)に協力(きょうりょく)する」(質(しつ)の高い教育(きょういく)をみんなに)といったアイデアが披露(ひろう)されました。

 蟹江教授(かにえきょうじゅ)は「小学生がSDGsを通じて進(すす)むべき社会の方向(ほうこう)を知り、自分たちが何をすべきか考える取り組みは素晴(すば)らしい」と指摘(してき)します。「SDGsは社会のさまざまな課題(かだい)を含(ふく)み、多くの人が関心(かんしん)を持(も)ちうる目標(もくひょう)です。子どもの貧困(ひんこん)や男女の不平等(ふびょうどう)など日本の社会が解決を迫(せま)られる問題(もんだい)もあります。SDGsをヒントに、あるべき未来(みらい)にたどり着(つ)くにはどうしたらよいかを政府(せいふ)や企業をはじめ、あらゆる立場の人に考えてもらえたら」と話します。

SDGs(エスディージーズ)について調(しら)べた内容(ないよう)を発表(はっぴょう)する児童(じどう)=愛知県武豊(あいちけんたけとよ)町の富貴(ふき)小で

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