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知るコレ!

悪霊払うお守りに ハロウィーンカボチャ

所狭(ところせま)しと並(なら)び、出荷(しゅっか)を待(ま)つハロウィーンカボチャ=長野県原(ながのけんはら)村で

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 もうすぐハロウィーン。最近(さいきん)はテーマパークでの仮装(かそう)がはやったり、街中(まちじゅう)の飾(かざ)りもにぎやかになったりと、楽しいイベントとして広まっています。傍(かたわ)らに欠(か)かせない、だいだい色の大きめのカボチャについて調(しら)べてみました。 (芦原千晶(あしはらちあき))

 広い空と三千メートル級(きゅう)の山々に囲(かこ)まれた長野県原(ながのけんはら)村の八ケ岳中央農業実践(やつがたけちゅうおうのうぎょうじっせん)大学校。温室(おんしつ)に、だいだい色のカボチャが所狭(ところせま)しと並(なら)んでいます。専修科(せんしゅうか)二年の森田(もりた)リサさん(20)=長野県東御(とうみ)市出身(しゅっしん)=は「先月収穫(しゅうかく)して、多い日は千個取(こと)った。どっしり重(おも)くて喜(よろこ)びが大きい」と笑(わら)います。

 栽培(さいばい)を始(はじ)めたのは約(やく)二十年前。直売所(ちょくばいじょ)に置(お)くと、飛(と)ぶように売れたそうです。ちょうどハロウィーンがブームになり始めたころ。広い土地があり気候(きこう)もぴったりで、作付面積(さくつけめんせき)を年々増(ふ)やしました。今年は二・五ヘクタールの畑(はたけ)で一万五千個を生産(せいさん)。注文(ちゅうもん)が殺到(さっとう)してほぼ完売(かんばい)し、月末(げつまつ)の原村の収穫祭(さい)で千個を各(かく)五百円で売ります。魅力(みりょく)は何でしょう。

 「一つも同じ形はなく自然(しぜん)の芸術(げいじゅつ)。見ると幸(しあわ)せになるでしょ。ハロウィーンカボチャで日本を明るくしたい」と奥久司教官(おくひさしきょうかん)(45)。でも味(あじ)は「飼料(しりょう)用の品種(ひんしゅ)なのであまりおいしくない」。

 「日本と世界(せかい)の祭(まつ)り」(小学館(しょうがくかん))によると、ハロウィーンは古代(こだい)ヨーロッパに住(す)んだケルト民族(みんぞく)の収穫祭と、新年を迎(むか)える祭りがルーツ。キリスト教徒(きょうと)の祝日(しゅくじつ)「万聖節(ばんせいせつ)」の前夜祭として、移民(いみん)とともにアメリカへ伝(つた)わりました。カボチャを彫(ほ)って作るおばけは悪霊(あくりょう)を追(お)い払(はら)うお守(まも)りで、アイルランドに残(のこ)るおばけの話から「ジャック・オー・ランタン(ちょうちん持(も)ちの男)」と呼(よ)ばれます。昔(むかし)はカブでしたが、アメリカで原産のカボチャを使(つか)ったのが始まりです。

 国内で最(もっと)も多く扱(あつか)う「大田花(おおたか)き」(東京都(とうきょうと))によると、二十年以上(いじょう)前から鑑賞(かんしょう)用に流通(りゅうつう)し、昨年(さくねん)の取り扱い量(りょう)は二十六万個で七割(わり)五分が国内産。北海道(ほっかいどう)、長野、新潟(にいがた)が三大産地です。

花井(はない)さん(前列(ぜんれつ)右から3人目)が作り、日本一どでカボチャ大会で優勝(ゆうしょう)したカボチャ=香川県土庄(かがわけんとのしょう)町で

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 巨大(きょだい)なカボチャも人気です。九月に香川(かがわ)県で開(ひら)かれた「日本一どでカボチャ大会」では三重(みえ)県木曽岬(きそさき)町の製缶業(せいかんぎょう)、花井為数(はないためかず)さん(69)が優勝(ゆうしょう)。直径(ちょっけい)一メートル強、重さ四一六・七キログラム。ロープでつり、トラックで移動(いどう)させました。

 アトランティックジャイアントという品種で、肥料(ひりょう)と土づくりを工夫(くふう)し、実(み)は一カ月半かけて大きくしました。雑草(ざっそう)を除(のぞ)いたり、よしずをかけて直射(ちょくしゃ)日光から守ったり。「日に日に成長(せいちょう)するのが楽しみで、子どもを育(そだ)てる感(かん)じ」。花井さんが属(ぞく)す「木曽岬町どてかぼちゃ愛好会(あいこうかい)」は今年、巨大カボチャ十個を含(ふく)め約千個をレジャー施設(しせつ)に販売(はんばい)しました。生産者(しゃ)の愛情(あいじょう)が、秋の街(まち)の彩(いろど)りを支(ささ)えています。

 

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