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知るコレ!

汚れにくく快適に 進化するトイレ

 LIXIL(リクシル)が最新技術(さいしんぎじゅつ)を駆使(くし)して開発(かいはつ)した便器(べんき)

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 トイレがきれいに快適(かいてき)に進化(しんか)しています。かつては「汚(きたな)い」「臭(くさ)い」日陰者(ひかげもの)でしたが、さまざまな機能(きのう)が備(そな)わり、ハイテク家電に様変(さまが)わりしました。各(かく)メーカーは技術(ぎじゅつ)の粋(すい)を集(あつ)め、商品(しょうひん)を生み出しています。世界最高(せかいさいこう)といわれる日本の最新トイレ技術を調(しら)べてみました。 (今村節(いまむらせつ))

 LIXIL(リクシル)は2016年、新技術(ぎじゅつ)「アクアセラミック」を使(つか)った便器(べんき)を発売(はつばい)しました。20年かけて開発(かいはつ)した世界初(せかいはつ)の商品(しょうひん)で、陶器(とうき)に特殊(とくしゅ)な物質(ぶっしつ)を焼(や)き付(つ)けました。水あかや汚物(おぶつ)など、あらゆる汚(よご)れを防(ふせ)ぐのが特徴(とくちょう)といいます。流(なが)した水が素早(すばや)く広がって、汚物の下に入り込(こ)み、浮(う)かせて洗(あら)い流すのです。同社広報担当(こうほうたんとう)の河合慎太郎(かあいしんたろう)さん(40)は「100年きれいに使(つか)えます」と自信(じしん)たっぷりです。

 最大手TOTO(さいおおてトートー)も製法(せいほう)を工夫(くふう)しました。看板(かんばん)技術は、便器の表面(ひょうめん)を100万分の1ミリ単位(たんい)の凹凸(おうとつ)もなく、つるつるにする「セフィオンテクト」。特殊な釉薬(ゆうやく)を使って焼き、なめらかに仕上(しあ)げ、汚れをつきにくくします。また、水に含(ふく)まれる塩化物(えんかぶつ)イオンを電気分解(ぶんかい)して除菌効果(じょきんこうか)を持(も)たせた「きれい除菌水」も開発。トイレ内部(ないぶ)で自動(じどう)で作り、便器に吹(ふ)きかけたりウォシュレットのノズルなどを洗ったりします。

 素材(そざい)を工夫したのはパナソニックです。06年、従来(じゅうらい)の陶器を特殊樹脂(じゅし)に変(か)えた「アラウーノ」を発売。素材そのものが汚れにくいそうです。泡(あわ)の洗浄剤(せんじょうざい)を自動的(てき)に出す機能(きのう)も付いていて、小便の飛(と)び散(ち)りや大便の汚れを残(のこ)しません。

 水の流し方も変わりました。便器の縁(ふち)にある穴(あな)から水が下に流れ落(お)ちる仕組みから、水が水平方向(すいへいほうこう)に吹き出し、便器の中をぐるぐる回り流れる方法になりました。この方が、便器の内側(うちがわ)にまんべんなく水が行き渡(わた)り、少ない水でも洗えます。かつて1回流すのに20リットルほどの水が必要(ひつよう)でしたが、4リットルほどまで減(へ)りました。

 各(かく)メーカーは、水の出る位置(いち)を変えて汚れをつきにくくしたり、掃除(そうじ)がしやすい形や、空間を広く使える大きさにもこだわっています。TOTO広報担当の桑原由典(くわはらよしのり)さん(43)は「水の流れなどは、コンピューターシミュレーションで考えます」と話しました。

 一般社団法人(いっぱんしゃだんほうじん)「日本トイレ協会(きょうかい)」事務局長(じむきょくちょう)の佐竹明雄(さたけあきお)さん(81)は「日本のトイレメーカーの技術(ぎじゅつ)やデザインは、世界最高水準(せかいさいこうすいじゅん)です」と解説(かいせつ)します。

 背景(はいけい)には、建築文化(けんちくぶんか)と、便器(べんき)の洋式化(ようしきか)がありました。欧米(おうべい)の家では、お風呂(ふろ)や洗面台(せんめんだい)とトイレが一つの部屋にあり、水をたくさん使(つか)います。一方、日本ではトイレだけの個室(こしつ)が一般的(てき)。欧米に比(くら)べて、電気を使うハイテクなトイレが置(お)きやすい環境(かんきょう)でした。

 1960〜70年代(ねんだい)には洋式トイレが公団住宅(こうだんじゅうたく)で採用(さいよう)されるなどして、急速(きゅうそく)に普及(ふきゅう)。温水洗浄便座(おんすいせんじょうべんざ)をはじめ、多機能(たきのう)化が進(すす)みました。

 インテリア性(せい)も重要視(じゅうようし)されるようになりました。タンクが外に付(つ)いていないタンクレストイレが普及し、室内が広く見えます。パナソニックはカラフルな10色の「新型(しんがた)アラウーノ」を販売(はんばい)して人気です。「お気に入りの部屋と思ってほしいです」と同社広報担当(こうほうたんとう)の勝川知美(かつかわともみ)さん(45)。

 「日本ではトイレは神仏(しんぶつ)がいる神聖(しんせい)な空間と思われていました」と佐竹さん。最近の変化に神様(かみさま)や仏(ほとけ)様も驚(おどろ)いているかもしれません。

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