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長寿しなの 彩食記

<第7部 癒やす自然の恵み> (9)マタタビ

塩漬けしたマタタビを手にする、栄村物産館・店舗主任の窪田さん=栄村の同館で

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 「猫が好むイメージが強く、人間が食べることに驚く客も多いですよ」。栄村物産館「またたび」店舗主任の窪田博昭さん(42)が笑った。

 店内には、瓶詰めされたマタタビの実の塩漬けや酢漬け、マタタビエキス入りせんべいや砂糖漬けしたまんじゅうが並ぶ。ファンもいて、加工前の生のマタタビを求める電話が毎年十件ほど寄せられるという。

 マタタビの読みから「疲れた旅人が食べるとまた旅に出ることができるくらい元気になる」と窪田さん。物産館の店名には「また旅を続けて」の意も込められている。

 この物産館で扱うマタタビは、全て地元の農業藤木栄さん(61)が採ってきたものだ。毎年七〜八月、午前五時ごろに山に入り、午後三時ごろまで歩き回って探す。栄村周辺では自生するマタタビを採る人は多くいたが、今は藤木さんくらいだという。

栄村周辺で、今では唯一のマタタビを採る人となった、地元の農業藤木さん=栄村の同館で

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 県林業総合センター(塩尻市)によると、マタタビは県内外の各地で自生しているが、群生していないため安定して収穫することが難しいという。

 藤木さんも「自生するマタタビが減って見つけるのが難しい」とこぼす。「炭焼きなどで業者や職人が木を伐採することが少なくなり、マタタビに日が当たりにくくなって育ちにくくなったのでは」と原因を推測する。

 藤木さんの自宅の冷蔵庫には酢漬けのマタタビが常備され、ご飯のお供やお茶請けにするという。試食させてもらうと、苦味はあるが、酢漬けされていることで食べやすく、コリコリして食感も良かった。

 マタタビが花を咲かせる前に、花の子房にマタタビアブラムシが卵を産んでできる虫こぶは、滋養強壮の薬効があるとされ、漢方に使用されている。

栄村物産館またたびで販売されているマタタビの漬物=栄村の同館で

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 窪田さんは「確かに好き嫌いはある味。でも元気になると言われているし、一度食べればイメージが変わりますよ」と食べず嫌いにならないよう訴えた。

 

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