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長寿しなの 彩食記

<第7部 癒やす自然の恵み> (2)カモミール

花が咲き乱れる中、カモミールを収穫する人たち=池田町で(6月19日)

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 初夏の太陽の光が降り注ぐ中、白い花々が一面に咲き誇っていた。「花とハーブの里」としてまちづくりを進める池田町の高原地帯にあるカモミール(和名カミツレ)畑。十三万平方メートルに約十三万株が無農薬で栽培され、近づくと甘くさわやかな香りが漂った。

 この農園を運営するのは、カモミールを使った「華密恋(かみつれん)」ブランドの入浴剤やスキンケア商品を製造販売するカミツレ研究所(池田町)。東京で印刷会社を営んだ同町出身の北條晴久氏(故人)が一九九七年、設立した。

 設立のきっかけは、北條氏ががんを手術せずに漢方薬で克服し、その治療を支えた薬剤師がカモミールを研究していた。「保湿や炎症を抑える効果があり、香りはストレスを和らげる」と着目し、地元に恩返しをしようと工場を建設。自社農園を持つ傍ら、減反を迫られた地元の農家らにもカモミール栽培を頼んだ。

カモミールを使った入浴剤が入った「八寿恵荘」の風呂=池田町で

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 カモミールはお盆すぎに種をまき、十月初旬に畑に苗を植える。翌年六月ごろに花が咲き乱れ、収穫する。農薬や化学肥料も使わず、手作業で刈り取る。

 現在はカモミール生産日本一の岐阜県大垣市と池田町などの契約農家計約四十世帯が生産を担い、自社でも約十三万株を栽培する。

 カミツレ研究所が買い取るカモミールは年約二十トン。国内生産全体のほぼ100%という。工場で乾燥させ、熱を与えずにエキスを抽出。入浴剤や化粧水などの原料にする。搾りかすは畑で再利用する。

カミツレ研究所の工場。入浴剤や化粧品などを生産している=池田町で

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 農園では、カモミールの定植や収穫体験ができ、花が満開となる六月には県内外から大勢の観光客が訪れる。敷地内にある宿「八寿恵荘」ではカモミールを使った入浴剤入りお風呂があり、入浴客は「華密恋」のスキンケア商品やせっけんなどが試せる。

 研究所によると、カモミールの花言葉は「逆境に負けない強さ」。広報担当の塩川かおりさん(42)は「花のかわいらしさとギャップがありますが、乾燥肌などにいいんですよ」と強調。「人が本来過ごすべき自然の中でリラックスして、カミツレに触れてほしい」と農園や八寿恵荘への訪問を呼び掛ける。

 (中津芳子)

 

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