挑む 浮世絵 国芳から芳年へ
2019年2月23日〜4月7日
名古屋市博物館
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高浜再稼働 全国知事アンケート誘致白紙後も続く視察 和歌山・御坊市
かつては使用済み核燃料の中間貯蔵施設の誘致が議論された自治体もわずかだがあった。そのひとつ、関西電力の火力発電所が立地する和歌山県御坊市では、受け入れが白紙に戻った一方で、建設を目指す動きがくすぶり続けている。 「中間貯蔵施設は無理。造る場所がない。働く場の創出にもあまりつながらない」。間もなく六期目を終える御坊市の柏木征夫市長はこう断言する。 関電が中間貯蔵施設の建設を検討していることが新聞報道で明るみに出たのは、二〇〇三年二月。第二火力発電所の建設予定地に合わせて建設を検討しているとの内容だった。市議会は翌年、特別委員会を設置し、関電から説明を受けたり、視察に行くなど研究を進めた。関電は〇五年三月に第二火力の建設は断念したが、幹部は一〇年二月、特別委で「御坊市での(中間貯蔵施設の)立地の可能性はある」と述べた。 かつて市議会に誘致の要望書を出した建設会社社長細川幸三さん(53)は「建設すれば交付金をもらえ経済発展にも役立つと考えた」と振り返る。 だが、一一年に福島第一原発事故が発生。原発に対する市民の不安が高まる一方、誘致の中心にいた元議長も死去した。細川さんは「今となっては誘致は難しい」と話す。 ただ、水面下では建設に向けた動きが続いている。昨年六月、沿岸地区の役員を対象とした視察旅行。茨城県東海村の東海第二原発で中間貯蔵のモデル施設を見学し、翌日は東京スカイツリーや築地、靖国神社を回った。 参加費は関西国際空港からの往復航空券やバス代、都内ホテルでの宿泊費などを含めて一人一万円。残りは関電などがつくる業界団体・関西原子力懇談会が負担した。参加した無職男性(67)は「モデル施設では専用の容器を触った。関電の社員が同行して説明した」と証言する。 同懇談会の担当者は「原子力への理解を推進する団体なので視察などの支援はしているが、詳細は答えかねる」と言葉を濁した。 反対派の楠本文郎市議は「視察旅行は高浜原発の再稼働をにらんで計画されたのでは」と推測。この地区の沖には津波対策を中心とした港湾整備構想があり、これに絡めて中間貯蔵施設の建設が再浮上しかねないと警戒する。 (高橋雅人) PR情報 |
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