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「明日も前」人気駅名は当面存続へ 天竜浜名湖鉄道

「明日も前」とも読める天竜浜名湖鉄道のアスモ前駅=静岡県湖西市岡崎で

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「明日も前」と書かれた駅名キーホルダー(右)と合格祈願キーホルダー

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 2011年3月の東日本大震災後、「明日も前」と読めることで人気になった天竜浜名湖鉄道・アスモ前駅(静岡県湖西市)。由来の自動車部品メーカー「アスモ」が4月に親会社のデンソー(愛知県刈谷市)に吸収されるが、駅名は当面、変わらないことになった。社名は消えても、前向きな駅名は残る。  

 無人駅。ホームの階段を下りてすぐにアスモの通用門がある。1日の駅利用者は約40人で、ほとんどがアスモ社員だ。

 震災後に話題になり、天竜浜名湖鉄道は11年8月、アスモ前駅のイラストと「明日も前へ!」「日本一前向きな駅名」と書いたキーホルダーを発売。すぐに購入したアスモの男性社員(57)は「誇らしくて、家族にも自慢したかった」と話す。家の鍵に付けて今も持ち歩くという。翌年からは「合格祈願」と書き添えたキーホルダーも毎年冬限定で販売され、やはり人気となった。

 同鉄道は全駅名のキーホルダー39種を発売しているが、アスモと親会社のデンソーの事業統合が発表された昨年12月ごろから、アスモ前駅の売れ行きが伸びた。担当者は「アスモの社名がなくなるので駅名も変わると思った人が記念に買おうと思ったのかもしれない」と推測する。

 同鉄道によると、駅名変更には看板や時刻表、車内放送などの作り直しで数百万円がかかる。アスモ・デンソー双方からの要望もないため当面、変えないという。「前向きな駅名を残したいという声は、社内外で多い」と同鉄道の担当者。「明日も前」駅や「あすも前」駅など、表記だけを変えるアイデアもあるが、未定という。

 アスモは、駅ホームの柵の塗装や看板のさびの補修費用として天竜浜名湖鉄道に200万円を寄付したり、毎年、駅周辺の草刈りをしたりしている。同社総務部の尾崎進担当部長は「社員にとっても愛着がある駅。会社名が変わっても、名前の響きを残してもらえたらうれしい」と話している。

(片山さゆみ)

 

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