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鉄道まるっと切り抜き帳

明治期に四日市で製造の国内最古の貨車「458号」 いなべ貨物鉄道博物館に収蔵

貨物鉄道博物館(左奥)が新たに取得した関西鉄道458号貨車=いなべ市大安町で

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 明治時代に旧関西鉄道(現JR関西線など)で使われた鉄製貨車が、いなべ市の貨物鉄道博物館(三岐鉄道三岐線丹生川駅隣)に収蔵された。四日市製で、国内に現存する最古の鉄道貨車とみられる。茨城県で解体されるという情報を聞いた博物館が働き掛け「帰郷」を実現させた。 

 取得した貨車は1900(明治33)年に関西鉄道四日市工場で製造された「458号貨車」。21年に竜崎鉄道(現関東鉄道竜ケ崎線)に譲渡され、60年代に引退した。近年は竜ケ崎駅(茨城県龍ケ崎市)で油類の倉庫に使われていたが、今年8月、車庫の改築に伴って解体が決まった。

 博物館の南野哲志理事(46)は「以前から三重県ゆかりの鉄道遺産として注視していた。8月に四日市市博物館の企画展に貨車の写真が出ていて解体を知り、急いで交渉した」。関東鉄道側が無償譲渡を快諾し、9月21日に博物館に着いた。

 車輪やブレーキ装置は失われているが、保存状態は良好。全長4・5メートル、高さ2・1メートル、重量は不明。積載荷重7トンと現代の貨車よりもかなり小柄だ。南野理事は「製鉄技術が未熟だったため、鋼材は全て外国製。このサイズが当時の技術の限界だったのではないか」と見る。

 博物館は2003年、鉄道の貨物輸送130周年を記念してオープン。明治−昭和の貨車や機関車16台を収蔵する。南野理事は「県内ゆかりの車両としては2台目で、全国的にも大変貴重な明治の産業遺産。来年の開館15周年に向け、修復や実測調査を進めていきたい」と話す。

 博物館は毎月第1日曜のみ開館(1月は第2日曜)。458号貨車は外部に展示してあり、閉館時でも見学できる。

(遠藤康訓)

 

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