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鉄道まるっと切り抜き帳

安全運行だ「シノビトレイン」 信楽高原鉄道

信楽高原鉄道に乗り入れている「シノビトレイン」=滋賀県甲賀市で

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 新緑のトンネルを通り抜ける線路。6月15日、その脇の慰霊碑前で制服姿の6人が整列し、黙とうした。辺りを静寂が包む。

 1991年5月14日、滋賀県甲賀市信楽町のこの場所で、信楽高原鉄道とJR西日本の列車が正面衝突。多くの観光客や乗員ら42人が犠牲になった。

 当時、JR社員だった前田潤さん(66)=三重県伊賀市=は病院で2日間、負傷者らの対応にあたった。「なぜ、起きたのか」。重い問いに、胸を突かれた。

 6年前に定年で退職、信楽高原鉄道の業務部長に就いた。社員らに事故の悲惨さ、安全の大切さを伝える。「どんなに機械化が進んでも、最後は人間の目や」

 社員らは毎月1回、慰霊碑前で祈り、設備を点検。風化させまいと、事故車両の部品を展示し続ける。

 最北の貴生川(きぶかわ)駅で接続するのが、県境を挟んだ伊賀市と結ぶJR草津線。今年2月、甲賀・伊賀の周遊客を呼び込もうと、忍者を描いた「シノビトレイン」が、両線で走り始めた。

 「2度と事故は起こさない」。始発列車が動きだす。今日も覚悟を新たにする。

 写真・横田 信哉 文・飯盛 結衣

  

 

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