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鉄道まるっと切り抜き帳

勤め終え電車が“帰宅” 春日井・神領車両区

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 家のあるじが帰宅すると、窓から明かりが漏れるように、勤めを終えた電車からこぼれる光が線路を照らす。

 JR名古屋駅から岐阜県中津川市方面へ、中央線で8つ目の神領駅(春日井市)。近くの「神領車両区」には、人々を家路へと送り届けた110両もの電車が帰ってくる。架線に電流が通っていることを示す無数の赤い「入」の字が、それを待つ。

 「また来たよ、かっこいいね」。午後6時半、高架の上から電車を眺める親子がいた。伊藤優希君(4つ)は、父繁樹さん(44)に肩車してもらいながら、うれしそう。「7両見るまで帰らないって言うんです」と困り顔の繁樹さん。月に1度、近くのおばあちゃんちに遊びに来たときの、とっておきの時間。

 家ではおばあちゃんが、温かいご飯を作って待っている。この日は8両を見届けて、そろそろおうちに帰ろうか。2人の背中が高架の向こう側に小さくなり、夕日と一緒に消えていく。

 深夜、静けさに包まれた車両区では作業員が点検を終え、電車の明かりが消えた。また明日、お休みなさい。

 写真・板津亮兵 文・浅野有紀

  

 

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