トップ > 特集・連載 > 鉄道まるっと切り抜き帳 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

鉄道まるっと切り抜き帳

亡き父のD51の走る姿再び あまの個人が所有→大阪の企業

大阪市の運送会社に譲渡されたSL車両=29日、愛知県あま市甚目寺で

写真

 「デゴイチ」の愛称で親しまれた蒸気機関車(SL)の「D51」。廃車後40年余り、愛知県あま市で個人が所有してきた1両が大阪市の運送会社に譲渡されることになり、あま市甚目寺の保管車庫で29日、「さよなら見学会」があった。SLの個人所有は全国でも珍しいが、今後は整備されてイベントなどで自治体や鉄道会社に貸し出され、走りを披露する。

 車両は1943年製の827号機(長さ約20メートル、重さ約90トン)。主に旧国鉄中央西線(現在のJR中央線)の名古屋−塩尻間を走り、73年に廃車になった。あま市の故山田泰平さん(2005年に82歳で死去)がSLを展示会で見て「雄姿を後世に残したい」と、国鉄から425万円で購入した。消費者物価指数で換算すると、現在の貨幣価値では約2倍の880万円程度になる。

 水田に囲まれた私有地に専用の保管車庫を建て、当初は無料公開していたが、部品の盗難に遭って公開を取りやめた。山田さんの死後は長女(54)が管理を引き継ぎ、鉄道ファンの知人らに手伝ってもらいながら手入れしてきた。だが限界を感じ、引き取り先を探していたところ、鉄道車両を輸送する大阪市の「アチハ」が手を挙げた。

 見学会には大勢の鉄道ファンが詰めかけ、長女からアチハの担当者に車両のナンバープレートが手渡された。同社によると、さびはなく、非常に良い保管状態で、動力を石炭から圧縮空気に変えて黄金週間のころに関西地方で走らせる予定という。

 長女は「父は『もう一度走らせて子どもたちに見せたい』と話していた。父も天国で喜んでいると思う」と語った。

 (酒井博章)

 

この記事を印刷する

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索