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尾張万華鏡

海上の森・大正池 はかない存在、秋映す

撮影データ レンズ24−105ミリ、F7.1、1/100秒、ISO800

写真

 普段は立ち入り禁止の森の奥。たどり着いたオアシスの美しさに息をのむ。静かな空気に映える緑。チチチ…と鳥の声。アメンボがはじく水面は、妖精が踊る足跡のようだ。

 万博メイン会場になる予定だった、瀬戸市にある「海上の森」。計画が変更され、中心部に残った「大正池」が初秋を映している。池といっても一九七五年度に完成した砂防ダムの池。本当は「海上砂防池」という。

 愛称の由来は、長野県の上高地にある、立ち枯れの木で有名な大正池。その景色と似ていると、誰ともなく呼び出した。

 水は農業用水のために張り、農閑期は抜いてしまう。水没を繰り返し立ち枯れた木は、一本、また一本と、朽ちて倒れていく。

 同地区で農業をし、市の農業委員も務める山田泰司さん(71)も「昔は倍以上の木が立っていた」と話した。

 今しかない景色。広がっては消える妖精の足跡が急にはかなく見える。心に焼き付けて、そっと立ち去った。

 写真・板津亮兵

 文・菅谷仁志

 
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