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みえびとの肖像

第44回 はしもとみお(38) 彫刻家

はしもとみおさん=いなべ市で

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◆削り出すのは命の形

実物のモデルをもとに、等身大の姿を彫り上げる=いなべ市で

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 動物好きで獣医師を目指していた十五歳のとき、阪神大震災で自宅が半壊した。辺りの風景も一変したが、庭でミノムシが何事もなかったかのように風に揺れる姿を見て、大切な財産はお金でも家でもなく、自分が生み出すものだと気付いた。

 「手仕事で生きていく技を身に付けないと」

 木を削り、動物の姿を彫り出す。実在のモデルを基に、デフォルメはしない。生き生きと躍動する命の形を刻んでいく。

 年間二百体を手掛ける。亡くなった飼い猫の写真を基に生前の姿を形にすると、依頼主の家族が泣きながら抱き締めたこともある。

 「彫刻を作品と思うことはありません。ありのままの姿を削り出しただけなので」

 豊かな自然に囲まれたいなべ市のアトリエで制作を続ける。

 「物を多く持たなくても豊かで充実しています」。材料の木材に囲まれ、ミノムシのように静かな田舎暮らしを楽しむ。

 写真・文 大橋脩人

 <はしもと・みお> いなべ市在住。兵庫県で生まれ育ち、東京や愛知の美術大で技術を身に付け、26歳から制作を始める。

生きているようにリアルな彫刻が並ぶ展覧会会場=いなべ市北勢町阿下喜の岩田商店で

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