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みえびとの肖像

第38回 鈴木成宗(50) 醸造家・伊勢角屋麦酒社長

鈴木成宗さん

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 伊勢で四百四十年続く餅屋「二軒茶屋餅角屋」のせがれは伝統をなぞる仕事に飽き足らず、非難をよそに地ビール醸造所を立ち上げた。いばらの道が待っていたが、苦難の末、世界が認めるブランドを築き上げた。

雑味を排除し爽やかな飲み心地を追求した目玉商品

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 泥沼の七年間だった。二十九歳で醸造所を始めると餅屋の利益を食いつぶし、社員の給料以外に金はほとんど残らなかった。詐欺にも遭い「自分の代で店をたたむかも…」と追い詰められた。

 三十五歳で商品が世界一に輝いても好転せず、「造るだけじゃだめだと気付いた」。意識を改め、店の掃除や泥くさい営業に正面から向き合うと道が開けていった。今ではビールの利益が餅の八倍以上にまで成長した。

 商品開発のとき「伊勢」の二文字が常に頭をよぎるという。「世界レベルのネームブランドを汚すわけにはいかない」。神宿る地の伝統を忘れず、プロだからこそ造り出せる味を探求する。

 写真・文 大橋脩人

 <すずき・なりひろ> 伊勢市神久で生まれ育ち、29歳で醸造所を設立。35歳でビールの世界大会の一つ「AIBA」で金賞を受賞。「三重クラフトビールの会」の発起人。

社員や関係者らと試飲会を開催し、洗練された味を追求する=伊勢市神久の伊勢角屋麦酒で

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