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みえびとの肖像

第33回 小泉圭吾(40) 鳥羽市立神島診療所長

◆神島で優しさの医業

小泉圭吾さん

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 たった一人のお医者さんは、使命感よりも「好きだから」、神島に暮らしている。人口約三百五十人の島民は顔見知り。助け合いの精神で優しい医療を心掛ける。

寝たきりの患者宅を往診する=鳥羽市神島町で

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 初任地の南伊勢町の病院は医師不足で先端医療にも携われず、好きになれなかった。しかし、二年で母校の大学病院に戻ると、患者との人間関係の希薄さに物足りなさを感じた。「都会では優しくなくなるような気がした」。家族で神島への移住を決意した。

 「神島で死にたい」という島民の死生観に感銘を受ける。「家族らに見守られて息を引き取る。なんてすてきな最期なんだろう」

「島自体が病棟のようなもの」。車両が通れない細い路地を歩き回る=鳥羽市神島町で

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 寝たきりの患者宅へ歩いて往診し、専門外でも誠実に対応する。島民の信頼は厚い。「高齢化が進み、離れなければならない日が来たとしても、神島とは関わり続けたい」。小さな島への思いは、果てしなく大きい。

 写真・文 大橋脩人

 <こいずみ・けいご> 鳥羽市神島町在住。松阪市で生まれ育ち、自治医科大(栃木県)を卒業。31歳から神島診療所長として働く。

 

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