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みえびとの肖像

第2回 巽幸則(68) 大杉谷の仙人

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◆大自然 今も少年の心

近畿の秘境とも称される大杉谷。手付かずの自然が残る=大台町の大杉谷で

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 「空から落ちてきているようだ」。大杉谷(大台町)最大の千尋(せんぴろ)滝を眺めた少年は、雄大な姿に魅了された。見る角度や水量、季節によって異なる表情をみせる。「ここで生活すれば大自然を独り占めできる」。少年は大人になってから大杉谷に住むようになった。

 携帯は圏外。隣の家は八キロ下流。大雨で道が寸断され、孤立することもしばしば。停電は数え切れない。しかし大変だと思ったことは一度も無い。「自然のパワーを感じるとぞくぞくする」

 薪(まき)で湯を沸かし、ランプの明かりで生活する。秘境で暮らすこと二十四年。いつしか「仙人」と呼ばれるようになった。

 二〇〇四(平成十六)年の水害で大杉谷登山道が閉鎖されるまで山荘を経営。一昨年、全線開通してからはガイドの仕事も手掛ける。成り行きまかせで生きてきた。肩書は「自由人」。

手作りのテラスで湯を沸かす巽さん。電気やガスは極力使わない=大台町の大杉谷で

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写真・文 大橋脩人

 <たつみ・ゆきのり> 大台町大杉在住。旧宮川村(大台町)生まれ。県内で会社員生活をして44歳で大杉谷に移住し、56歳まで大杉谷山荘(現在閉館)を経営。現在は大杉谷登山センターなどで観光ガイドを手掛ける。座右の銘は「老いて、ますます少年のごとし」

 

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