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みえびとの肖像

第7回 松本孝寿(51) ギター職人・公務員

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◆尾鷲ヒノキ 響きの匠

名張市産業部観光交流室長としての顔も持つ=名張市役所で

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 木の香り漂う工房で作業に没頭する。時計の針がてっぺんを指すと、真夜中のギター職人は作業を終える。翌朝は、公務員として市役所に出勤する。

 十六年前、大阪市内のギター職人に師事し、腕を磨いた。四年前、大紀町のまきストーブ店で、店主に尾鷲ヒノキを材料にギターを作ってほしいと頼まれた。

 安請け合いしたが、外国産材と比べて硬くて曲げにくく、失敗を繰り返した。半年かけて仕上げ、弾いてみると、驚くほど濁りのない音色に心を奪われた。「香りや木目も魅力。日本らしくほっとします」

 今は年に数本だけ受注生産する。「商売と思ってません。楽器で喜んでもらえたらええ」。代金は材料費程度しか受け取らず市の副業規定の例外として認めてもらっている。

 公務員とギター職人の二足のわらじは、しばらく続く。「尾鷲ヒノキしか出せない音がある。体が動かなくなるまでやります」

作業は深夜まで続くことも =名張市西原町で

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写真・文 大橋脩人

 <まつもと・たかひさ> 名張市西原町在住。同所で生まれ育ち、24歳で名張市職員に。35〜42歳に大阪市内の職人にギター作りを学ぶ。同市産業部観光交流室長。

 

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