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みえびとの肖像

第14回 森喜るみ子(57) 杜氏

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5代目 漫画本仕込み

森喜酒造場の人気商品「るみ子の酒」。ラベルは漫画家の尾瀬あきらさん作

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 酒造りを続けてきたのはとある漫画のおかげ。二十五年前、蔵元の父親が脳梗塞で倒れ、蔵を閉めることも考えたとき、漫画「夏子の酒」(尾瀬あきら作、講談社)に出合った。主人公の女性が幻の酒を復活させるストーリー。「酒造りをやめたくなかった。物語に背中を押された」

 見習いから酒造りを始めた。軌道に乗るまでの四年間、子どもを背負って酒母を仕込み、従業員のまかないも作った。「大変すぎてよく覚えていないです」

 初めて一から造った純米酒のラベルのデザインと命名は尾瀬さんに委ねた。その名も「るみ子の酒」。派手ではないが芯のある味は今も人気を集める。

 創業から百二十年以上がたつ蔵を五代目として守る。「酵母も生き物。においや触感など、感覚を頼りに丹念に世話をすれば質の高いお酒になります」。機械は極力使わず、五感を頼りに麹(こうじ)と一対一で向き合う。それが杜氏(とうじ)のプライドだ。

趣のある木造の蔵内に酒を入れるタンクが並ぶ=伊賀市千歳の森喜酒造場で

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写真・文 大橋脩人

 <もりき・るみこ> 伊賀市千歳在住。同所で生まれ育ち大学を卒業後、製薬会社に入社。28歳で退職し、蔵人見習いとなり家業を継ぐ。40歳で杜氏(とうじ)に。2男1女の母。

 

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