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みえびとの肖像

第27回 佐後あゆみ(36) マグロ解体師

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◆包丁手に 鮮やか舞台

素早い手さばきでマグロをさばく=四日市市河原田町の北勢地方卸売市場で

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 マグロと向き合う時、笑顔は消える。鋭いまなざしで一点を凝視する。「包丁を握ると顔が変わるって、よく言われるんです」。刀のように長い包丁を握り、刃先に全神経を注ぐ。そして力強く、繊細にさばいていく。

 普段は優しい解体師の父が、働くときの真剣な表情にあこがれて、同じ道を選んだ。市場では黙々とマグロをさばき、母が経営するすし店では「看板娘」として解体ショーの舞台に立つ。

 身の断面をいかに美しく見せるかが技の妙。包丁から伝わる感覚を頼りに、骨や筋の向きを正確に見極める。「ここがショーの見せ所です」。キラキラと輝く断面が姿を現すと、歓声が上がる。

 「解体中はあっという間に時が過ぎる。ショーをするときも、自分が一番楽しんでいるのかも」。緊張のひとときを終え、包丁を置くと、いつものまぶしい笑顔が戻った。

商売道具の包丁には名前が刻まれる=四日市市河原田町の北勢地方卸売市場で

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写真・文 大橋脩人

 <さご・あゆみ> 桑名市在住。同市で生まれ育ち、18歳でマグロ解体のアルバイトを始める。23歳で水産仲卸店「北水」に入社、北勢地方卸売市場や回転すし店「すし道場」などでマグロを解体する。

 

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