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みえびとの肖像

第26回 森本武治(69) 特産松阪牛肥育農家

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◆愛が育むブランド肉

牛の首を優しくマッサージすると気持ちよさそうな表情を見せる=松阪市飯南町深野で

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 棚田や段々畑の風景が広がる、松阪市飯南町深野地区は松阪牛発祥の地。この地で、兵庫県産の子牛を九百日以上、手塩にかける昔ながらの手法で最高級ブランド「特産松阪牛」を生産する。牛と暮らし、肉の全てを知り尽くした男は言う。「これに勝る肉はない」

 代々松阪牛を飼う家に生まれた。中学卒業後、家業を継ぐまでの三十年間、食肉店で働き、肉質の良しあしを見抜く目を鍛えた。この下積みが熟練の技を支える。

 自宅隣の牛舎で八頭をわが子のようにかわいがる。「愛情を注いだ分だけ良い肉に仕上がるから」と、体調や性格に合わせて飼料を配合し、日光浴や毛づくろいも丁寧にやる。機械化はせず、一頭一頭に素手で接する。

 「牛さんのおかげで生活できてるからな」。感謝の気持ちを忘れたことはない。「確かな本物の味を育てる」。それが、特産松阪牛のブランドを支える心意気だ。

山あいに棚田や段々畑が広がる松阪市飯南町の深野地区

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写真・文 大橋脩人

 <もりもと・たけじ> 松阪市飯南町深野在住。同所で生まれ、中学卒業後、松阪肉料理店「和田金」に就職し、精肉所で働いた。44歳で牛肥育農家を継ぎ、50歳で牛の育ち具合を競う「松阪肉牛共進会」で最高賞を受賞。

 

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