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みえびとの肖像

第20回 竹株希朗(77) 秘技紀州テンカラ「竹株流トバシ」考案者

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長年の感覚を頼りに、魚のいそうな淵に毛鉤を投げ込む=尾鷲市南浦の又口川で

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◆渓遊 魚との知恵比べ

 釣りざおを巧みに操り、虫に似せた疑似餌を水面で躍らせる。毛鉤(けばり)を使った渓流釣りの一種「テンカラ」。少年時代に自ら考案した長い釣り糸と色鮮やかな毛鉤を使う手法「竹株(たけかぶ)流トバシ」を六十年余り貫く。

 初めて釣りざおを握ったのは六歳のとき。水中を俊敏に動き回り、警戒心の強い川魚との駆け引きに夢中になった。糸の長さや毛鉤の巻き方などの研究を重ね、十三歳で独自のスタイルを確立した。「自分の釣り方に自信があったから他の方法を試そうと思わなかった」

 就職しても出勤前や仕事後に渓流に通い詰めるほど没頭した。「魚との頭脳戦に今でも心が躍る。海釣りは三年で飽きたのに」

 かつては誰にも教えなかったが、テンカラの魅力を広めようと、積極的に技術の継承に取り組んでいる。今では秘技を受け継いだ弟子が全国に三十人以上いる。渓流釣りの世界での呼び名「渓遊(けいゆう)」を、その道で知らない人はいない。

甘い身が絶品で、釣り人からの人気も高いアマゴ=尾鷲市南浦の又口川で

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写真・文 大橋脩人

 <たけかぶ・まれお> 尾鷲市林町在住。奈良県上北山村に生まれ、16歳で林業作業員に。ダム建設で故郷を失い、20歳で尾鷲市に移住した。

 

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