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教育

<NIE> 伝える力磨く新聞作り

宿泊学習をテーマにした新聞を作る子どもたち=岐阜県中津川市の阿木小で

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 学校行事や授業で学んだことを新聞の形にまとめる学習新聞や、学級、学年に向けて情報を発信する新聞作りに取り組む学校がある。継続することで、子どもたちはどんなことを学んでいるのか、小学校二校を訪ねた。

 岐阜県中津川市の阿木小学校。六年生二十四人が先月十九日、国語の授業を使って、その前の週にあった京都、奈良への修学旅行の魅力を五年生に伝える新聞作りに取り組んだ。配られたのは四本の記事の配置があらかじめ決められたA3用紙。何を書くかトピックを四つ選び、仮の見出しを付け、実際に記事を書くところまでがこの日の目標だ。

 担任の先生のサポートに入ったのは、安江ますみ校長。「分かりやすく伝えるってどういうこと? 五年生が読みたいと思う新聞にしましょう」と声をかけた。東大寺の大仏、旅館で食べたおいしい夕食…。子どもたちは修学旅行のしおりや観光施設のパンフレットを見たり、辞書を引いて分からない言葉を調べたりしながら、作業を進めた。

 書き始めを工夫したのは伊藤天斗(たかと)君。「心に残ったことを五年生に伝えたいからそこから書き始めた」とにっこり。吉村花梨(かりん)さんは楽しかった奈良公園でのグループ行動を挙げ「自分たちで行く場所を決め、地図を見ながらたどり着けた。その喜びを書きたい」。

 一方、同小五年生は二泊三日の宿泊学習をテーマにした学習新聞を製作中。パターゴルフ、カレー作りなど、題材は盛りだくさん。この日は効果的な見出しを考えた。「八文字で感動を表現するのは難しい」などと悩みながら、ようやく決まった見出しや題字にペンで色を付け、仕上げていく。パターゴルフでただ一人、ホールインワンを達成した丸山ひなたさんは「私しか体験していないことを表現できた」と満足げだ。

 安江校長は中学の教員時代に十年ほど、国語の時間に学習新聞作りに取り組んだ。単調になりがちな授業に新聞を取り入れると生徒の姿勢も変わり「言葉に対する興味や関心がわく」と評価。続けるうち、学力テストの結果にも効果が表れた。「新聞記事はたくさん書けないから、文章を書くハードルが下がる。同時に、伝えたいことを端的にまとめようと工夫するようになる」という。今は学習新聞作りが継続できるよう、若手教員の授業をサポートしながら後進を育て、校長会でも学習新聞の取り組みや効果を紹介している。

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「見て! わたしたちの学年新聞」とPRする子どもたち=愛知県豊橋市の飯村小で

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 グループで取り組むのは、愛知県豊橋市の飯村(いむれ)小学校。今年は六年生の有志二十人が四班に分かれ、同級生に毎週配る学年新聞に挑戦している。編集会議を開き、書く内容もレイアウトも自分たちで決める本格派。良かった記事や感想を書いてもらう「読者の声」を集め、紙面に生かす。

 運動会の様子を報告したり、読書月間を前に「月千五百ページを読もう」と呼び掛けたり。「あっ」と思わせる見出しや目を引く字体、イラスト、四こま漫画など読ませる工夫をちりばめる。伊東波輝(なみき)君は「書きたいことが決まっている時はすらすら書ける」と記事にまとめる作業にも慣れた。

 指導する佐々木章仁先生は「どんな学年にしたいか、何を発信したいか、学年全体を見渡すうち、子どもたちの視野が広がる」と成長に手応えを感じている。「今は見た目の美しさにこだわっているが、今後は記事の内容を深めたい」

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 小学校では四、五年生の国語で新聞作りや記事の書き方などを学ぶ学校が多いが、継続して取り組むのは難しい。授業に新聞を取り入れようと活動する「愛知新聞教育研究協議会」の会長で学習新聞作りに長年、取り組んできた豊橋市幸小学校の小野浩史校長は「例えば修学旅行のまとめ新聞を作ることが決まっているなら、読み手やねらいを最初から決めておけば、事前学習で何を調べ、修学旅行当日に何を見てくるかがはっきりして、学習自体が意義あるものになる」と指摘する。

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 教育一面に掲載している「NIE講座」では十五日付から三回にわたり、レベルアップした学習新聞作りのこつを小野校長に伝授してもらいます。

 (福沢英里)

 

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