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教育

小学校、英語の時間を捻出

すごろく形式のゲームで、英語の表現に親しむ児童たち=愛知県安城市の桜井小で

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 多くの小学校で、四月から英語の授業時間が増えた。文部科学省は本年度からの二年間を、二〇二〇年度完全実施の次期学習指導要領に向けた移行期間とし、時間を増やすよう求めているからだ。学校は、時間確保にさまざまな工夫をして臨んでいる。

 六月中旬、愛知県安城市の桜井小学校四年生の外国語活動の時間。子どもたちは三人一組で、さいころを振っていた。

 児童たちが囲んでいたのは、担任の高野文香教諭が準備した「すごろくゲーム」。出た目の数だけこまを進め、そこに描かれた絵をヒントに、英語で友達を誘う遊びだ。ニンジンと手のこまに止まったら「Let’s touch carrot.」、野球の絵のこまに止まれば「Let’s play baseball.」。ニンジンに触ったり、野球のまねをしたり。授業の最後にはグループごとに、外国語指導助手(ALT)のスティーブンさんを誘う表現を考え、実際に話し掛けた。

 三、四年生は、英語の音声や基本的な表現に慣れ親しむ段階。高野教諭は、英語でコミュニケーションを取る楽しさを児童たちが感じられるよう工夫して授業をした。授業は、市内の小中学校の教員ら約七十人が参観し、授業後、指導法について意見を出し合った。

 安城市内の小学校は本年度、三、四年生で新たに年十五時限を英語を学ぶ外国語活動に充てている。五、六年生では、従来の年三十五時限(週一時限)に、十五時限を追加し計五十時限。それぞれ文科省が移行期間中に求める最低限の時限数だ。

 五、六年生は追加された時限で、次の学習指導要領に基づく中学校の学習に対応できるように、文字と音の関係やアルファベットの小文字の書き方、過去形の表現などを学ぶ。

 桜井小学校は、年七十時限の総合的な学習を一部、英語に振り替えた。文科省は移行期間中、総合的な学習を減らして英語に回すことを認めている。同省が五月に発表した調査では、約三割の学校が、英語の時間を確保するため、総合的な学習の時間を減らしている。

 他の方法で、活動の時間を確保した学校もある。同県豊川市の一宮西部小学校では、三、四年生は年三十五時限(週一時限)、五、六年生では年七十時限(週二時限)、英語を学んでいる。

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 カギになるのは、昼休み後の十五分間。児童たちは週三日、言葉の意味調べや硬筆の書写など、国語の課題に取り組んでいる。その学習が国語の一時限分(四十五分間)に相当。浮いた時間を、英語に回している。昼の十五分は、朝の登校後の自由時間を十分短くするなどしてひねり出した。

 五時限目までだった曜日に六時限目を入れて時間を確保する学校もあるが、教師の負担を考え避けた。綿密に計画した総合的な学習も減らしたくない。そこで、短時間学習に向きそうな教科として国語を選んだ。

       ◇

 文科省の調査では、本年度、三、四年生の外国語活動を「十五時限のみ実施」と答えた学校は54%。一宮西部小学校や静岡市内の小学校のように、二〇年度以降並みに三十五時限以上実施する学校は35%だった。五、六年生の外国語活動は「五十時限」が63%、「七十時限以上」が29%だった。

 一九年度に外国語活動を増やす自治体もある。三、四年生で三十五時限以上実施する学校は48%まで増える見通しだ。

 浜松市では原則、三、四年生の外国語活動は、一八年度が年十五時限、一九年度は年三十五時限に増やす。五、六年生の活動も年五十時限から一九年度には七十時限に増やす。「教員も徐々に慣れてもらうため」と同市の担当者。名古屋市は一八、一九年度ともに、三、四年生で十七時限、五、六年生で五十二時限行う。自治体の対応は分かれている。

 (佐橋大)

 

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