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教育

<変革 2020> プログラミング、課題見つけ解決

メッセージアプリを改良する生徒たち=愛知県犬山市の南部中で

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 中学校で技術・家庭科の技術分野の授業が変わる。多くの家電やロボットがインターネットにつながり相互に制御する時代に合わせ、二〇二一年度に実施される新学習指導要領ではネットワークを通じて働くプログラムの制作や修正が学習内容に加わる。これに対応して企業は教材を開発し、開発中の教材を使った試験的な授業が一部の学校で始まっている。

 「作ったアプリ(アプリケーション)に満足できないところはないか? 課題を解決するプログラムを考えてみて」。一月中旬、愛知県犬山市の南部中学校のコンピューター室で、技術・家庭科(技術分野)の渡津光司教諭(33)が、呼び掛けた。

 生徒たちは前の授業で、コンピューターに入れたプログラミングソフトを使い、コンピューター間でメッセージを送るアプリを作った。「○○を受け取ったとき」「××と二秒言う」などと書かれたブロックを並べると、プログラムができる。生徒たちは、手順書を見てプログラミングした。

 自作のアプリを使って、校内のネットワークを介し短文のメッセージを送り合った。両方が正しくプログラミングされていないとメッセージは表示されない。メッセージの表示時間が二秒に設定されていたので、正しくプログラミングできた生徒からも「メッセージがすぐ消えて、読めない」と不満が出た。

 この日の授業では、生徒一人一人がプログラムを修正した。メッセージの表示時間を十秒や二十秒にしたり、三台以上のパソコンとメッセージをやりとりできるように設定を変えたりと試行錯誤だ。

 授業は、愛知教育大の磯部征尊准教授(技術教育)と企業の共同研究として行われた。

 中学校の技術・家庭科は、一二年度にプログラミング教育が導入された。生徒たちは、信号の模型をコンピューターで制御することなどを体験し、信号機や自動ドアなどがプログラムで制御されていることを学んでいる。

 二一年度以降は、「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミング」が学習内容に加わる。南部中の授業のように、ネットワークを介して働くプログラムを、複数の生徒が協力して作り、問題点を修正する活動が想定されている。

 近年、通信アプリや警備システムなど、ネットワークを介して働く双方向性のコンテンツが急速に増えている。その仕組みの一端に中学生のうちに触れておくのが新学習指導要領の狙いという。二〇年度からは小学校でプログラミング教育が必修になり、今、中学校で学んでいる内容を一部、小学校で行う可能性もある。

 こうした内容に対応した教材の開発が「課題の一つ」と磯部准教授は指摘する。「学習内容が重複しないよう小中学校間で連携を強化することも必要だ」とする。

 (佐橋大)

◆創造性を育む

 プログラミング教育に限らず、技術・家庭科の技術分野で学ぶ内容は時代に応じ変化している。情報技術(IT)の進歩に合わせて、情報モラルを身に付け、インターネットの仕組みを学ぶ内容が増えた。

 木材加工や金属加工でも、単に物を作るのではなく、課題を見つけて、設計に反映させて作る「ものづくり」の基礎となる考え方を重視している。

 磯部准教授によると、プログラミングの学習は、課題を見つけて、試行錯誤し、修正する流れを体験でき「イノベーションする力、創造性を育む技術教育の方向性とも合致する」という。

 <技術・家庭科> 中学校の教科名。以前は技術分野は男子、家庭分野は女子と分かれていたが、2012年度以降、完全に男女共通に。授業時間は1、2年で週2こま、3年で週1こま。

 

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