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<変革2020>プログラミング教育3年 愛知・椙山女学園付属小

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 2020年度以降、小学校では、コンピューターを動かす仕組みを学ぶ「プログラミング教育」が必修になる。「論理的思考力を身に付けるため、各教科の特質に応じて実施する」というが、イメージできる人はどれくらいいるだろう。椙山女学園付属小学校(名古屋市千種区)は、本年度から、教科の学習と関連づけたプログラミング教育を試みている。

 「このブロックが示す動きを予想してみてね」。六月中旬、堀なつ美教諭が四年生に呼び掛けた。机には、二人に一つのタブレット端末iPad(アイパッド)と、レゴブロックの教材キットで組み立てた小型ロボット「マイロ」が。マイロは無線通信でiPadとつながっていて、iPadで作るプログラムで動く。

 プログラムを作るといっても、プログラミング言語を打ち込むわけではない。画面に表示された複数のブロックを指で動かすだけだ。ブロックには「指で触れると動作が始まる」「モーターが回転する」など、それぞれ意味がある。それらを動かし、つなげると、マイロを動かすプログラムができあがる。

 予想するブロックは、砂時計などが描かれている。子どもたちは、ブロックを指示された順番に並べ、マイロを動かした。「まっすぐ進んで止まった」「少し進んで、物が近くに来ると止まった」。子どもたちは、マイロの動きを言葉にした。「センサーじゃない?」とあちこちから声が。

2人一組で端末の画面上でブロックを動かし、「マイロ」の動きを確認。ブロックの役割を導き出す=名古屋市千種区の椙山女学園付属小で

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 ブロックを入れ替えて、確かめた。音を鳴らすブロックに入れ替えると、障害物の前まで進んで音が鳴った。画面に絵を表示するブロックを置くと、iPadに絵が出た。子どもたちは、このブロックの役割を「物を近づけると反応して次のブロックの働きが始まる」と結論づけた。

 仮説を立てて、実験し、正しいかを確かめる、という科学的な手法。授業は、総合的な学習の時間で行われたが、理科を意識した内容だ。同小の教務部長で、授業の開発に取り組む福岡なをみ教諭は「プログラミングは、試して、修正することを通じて考える癖がつく。工夫すれば、さまざまな教科の力を伸ばすのに役立つ」と手応えを語る。

 四年の国語で、分かりやすく筋道を立てて説明することを学んだ後、総合的な学習の時間でプログラミング教材を使い、説明の練習もした。

 順番にブロックを並べ、そのときのマイロの動きを、短い文にまとめた。「まず、スタートブロックを押すとマイロは前に進んで、次に後ろに進む、また、前に進み、次に後ろに進み、止まる」といった具合だ。

 算数にも応用している。二つの店で売っているノートのどちらが安いかを、割り算で求める文章問題では、プログラミングを応用して、文章を短く区切り、図にして、手順を追って考える練習をした。「道筋を一つ一つ区切って考えるプログラミング的な思考が、文章問題を解くのに役立った」と福岡教諭は話す。

 同小はプログラミング教育を三年前に導入した。一学期には四年生で六〜七こま実施した。特に詳しい教員はいないが、専門家の助言を受け、授業を作った。

       ◇

 二〇二〇年度からプログラミング教育が必修になるのは、次期学習指導要領が実施されるためだ。

 その中では、算数での正多角形の作図のほか、理科、総合的な学習の時間でプログラミング教育をすることを例示した。文部科学省は、「例示以外の内容や教科などにおいても、プログラミングを学習活動として実施することが可能」とし、学校の教育目標や子どもたちの実情に応じて工夫するよう求めている。

 (佐橋大)

 

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