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教育

世界で活躍する人材を 愛知の私大、国際系学部続々

外国人労働者問題について講義を受ける学生たち=愛知県日進市の名古屋外国語大で

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英語で興味のある分野などを話す学生と外国人講師=名古屋市東区の名城大ナゴヤドーム前キャンパスで

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名古屋学院大の「グローバルリンクス」イメージ図

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 「世界」や「国際」を冠した学部学科の新設が、名古屋市などの私立大で相次いでいる。専用施設を整備するなど英語環境の充実に乗り出すところも多い。英語力や教養などを身に付けるにとどまらず、世界で活躍できる「グローバルな人材」の育成を掲げ、新たな受験者層の掘り起こしをねらう。

 中部圏唯一の外国語大である名古屋外国語大(愛知県日進市)は四月、二十年以上ぶりに三つ目の学部「世界共生学部」(一学年の定員百人)を設けた。今春の入試では、看板ともいえる外国語学部の英語コミュニケーション専攻に匹敵する約二千二百人が受験した。

 すでに名外大には、外国語学部に語学と教養教育に特化した「世界教養学科」(同)、現代国際学部には、就職などのキャリア教育に特化した「国際教養学科」(同)がある。新設の「世界共生学部」はこれらと名前が似ていて混同しやすいが、国内外の多文化共生社会で起こる問題を解決する人材を育てるのが狙いだ。

 「現実の世界で起きた問題からフィードバックして自分で学ぶ。本で学ぶ前に世界で経験を積もうという姿勢で四年間を過ごします」と高瀬淳一学部長(58)。学生たちは、英語を軸に十一言語から複数の外国語を選択。ヨーロッパやユーラシアなど世界六地域の生活圏の文化や社会の仕組みを学び、各地へ留学もする。

 「カナダ大使館で働きたい」「アラビア語でコーランを読んでみたい」−。四月に入学した一期生たちの夢は広がる。亀山郁夫学長(68)は「学ぶことを自分で選んで構築していく。世界共生学部の学生はきっと伸びるだろう」と期待する。

 経済や社会のグローバル化に対応する人材育成を掲げ、全国の国公私立大で誕生している国際系学部。社会や受験生のニーズもあり、特に私立大は少子化時代の生き残りをかけた受験生の掘り起こしに躍起だ。

 外国語教育などで中部を代表する南山大(名古屋市昭和区)も今春、「地球市民の育成」を掲げて国際教養学部(一学年の定員百五十人)を開設した。合わせて、留学しやすいよう、全学的に約八週間を一学期とする「クォーター(四学期)制」を導入した。

 学生は、一年目は英語の成績で八クラスに分かれて英語力を高める。二年で、ほぼ全員がアメリカのアリゾナ大に六週間留学。英語以外の五つの外国語からも選んで学び、三年や四年には、大学が世界各地で開く海外ゼミに参加する。

 伝わる英語の文章を書くことを学ぶスペース「ライティングセンター」も置いた。森山幹弘国際教養学科長(56)は「外国に暮らせば誰でも話せるようになる。しかし書くことは練習がいる。国際社会に必要なのは、基礎的な学力と、思考力、教養、物おじせずに伝える能力だ」と話す。

◆施設整え英語環境を充実

 施設を整え英語環境を充実させる大学もある。

 名城大(名古屋市天白区)が二〇一六年四月に開設したナゴヤドーム前キャンパス(同市東区)。真新しい校舎の二階にある英語学習施設「グローバルプラザ」は、一歩入れば「英語を使う」がルールだ。

 講義の空きコマを中心に、学生がひっきりなしに立ち寄る。授業時間の空いた当番の外国人講師とボードゲームなどを使って、身の回りのことや興味のある分野について英語で話している。

 名城大によると、施設整備に当たり、国内でも外国語教育に強い神田外語大(千葉市)をモデルにした。二つの大学は一四年に提携を結び、神田外語大から派遣された専門スタッフが常駐するほか、自分で発音を聞き練習できる設備もそろう。一六年に開設した外国語学部に通う女子学生(18)は「大学に通うだけで留学しているような環境。実際の留学に備えて毎日利用し、英語力を磨きたい」と満足そうだ。

 明治時代にキリスト教系の語学学校として設立した名古屋学院大(名古屋市熱田区)は「原点回帰」を図り、来年九月に全学生を対象にした国内最大規模の国際教育施設「グローバルリンクス」をオープンさせる。土地は現在の名古屋キャンパスの近くに取得した。

 機器や書籍をそろえて英語や国際文化に触れる機会を提供し、授業や講演会で使う。自習も可能で、「読む、書く、聞く、話す」を徹底指導する。留学前の不安や留学後の語学力の定着をサポートする。

 (美細津仁志)

 

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