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クルマ革命

展示目立つ、安全・快適な「つながる車」 東京モーターショー

カーナビとスマートフォンを連携するコネクテッド機能の一例=東京都江東区の東京ビッグサイトで

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 二十五日に報道陣への公開が始まった東京モーターショーでは、電気自動車(EV)のほかに、インターネットにつながった車での新サービスや、不特定多数の人が車を共用する「シェアリング」を意識した展示が目立った。二十七日に開会式があり、一般公開は二十八日から十一月五日まで。

◆音声サービス、交通情報共有

 通信機能を持ったコネクテッドカー(つながる車)の最新技術が数多くお披露目された。運転の主体が人から車に変わる自動運転に欠かせない領域で、車の安全性や、移動を楽しむエンターテインメントなどの分野でIT企業を巻き込んだ開発競争が加速している。

 トヨタ自動車と無料通信アプリを手掛けるLINE(ライン)は、車がドライバーの要望に応える音声サービスを初公開。車とスマートフォンをつなぎ、人工知能(AI)を活用した技術で、ドライバーの好みに合う音楽を流したり、ニュースやラインのメッセージ、目的地の天気などを音声で教えたりしてくれる。

 両社は二〇一八年中の商品化を目指しており、ラインの広報担当者は「継ぎ目のない通信サービスを目指す中で、車の領域の重要度は増している」と話した。

 日産自動車は完全自動運転を見据え、工事や事故による突発的な車線規制などの情報を走行中の車から収集し、ほかの車と共有する開発中の技術を披露。通信大手のKDDIはエンジンルームを開けずに、タブレット端末をかざすだけでエンジンオイルの残量などを確認できるサービスのコンセプトを公開した。

 「つながる化」にはサイバー攻撃を受けるリスクもあり、トヨタグループのデンソー(愛知県刈谷市)は二一年の実用化を目指すセキュリティー対策などを紹介。担当者は自動運転の普及を念頭に「ハッキングによる異常動作は命に関わる。この分野のメーカー間の競争は激しい」と説明した。

 一方、ホンダは家族と車のつながりをテーマにしたコンセプトを発表。普段はリビングとして使う三畳間が、EVとして分離するユニークな発想で、担当者は「コネクテッドは通信にとどまらない」と話した。

 (鈴木龍司)

◆自動運転レクサス公開 試作車

世界初公開されたレクサスの「LS+コンセプト」=東京都江東区の東京ビッグサイトで

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 トヨタ自動車は、同社として初めて自動運転機能を搭載した試作車「LS+(プラス)コンセプト」を、高級車ブランドのレクサスから世界初公開した。高速道路の入り口から出口まで合流や追い越しを含めて自動運転が可能で、レベル2の自動運転に相当。試作車をベースに開発を進め東京五輪が開催される二〇二〇年の発売を目指す。

 同社は、レベル4に相当する一般道での自動運転ができる車を二〇年代前半に商品化する目標を掲げる。レクサス事業を担当する沢良宏常務役員は「自動運転によって全ての人が安全、自由に移動できる社会の実現を目指す」と語った。

◆「カーシェア」想定EVも

トヨタ車体の「ワンダー・カプセル・コンセプト」=東京都江東区の東京ビッグサイトで

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 自動運転やインターネットにつながる技術の発展で、自動車は「所有」するものから大勢で「共用」するものに変わっていく可能性がある。こうした「シェアリング」での利用を想定した試作車が、トヨタ車体(愛知県刈谷市)やホンダから出展された。

 トヨタ車体は、全長二・五メートルの二人乗りEV「ワンダー・カプセル・コンセプト」を世界初公開した。

 都市部や観光地での利用を想定。不特定多数の人が乗り込むシェアリングの特性を考慮し、乗る人に合わせてハンドルやペダルの位置を車が自動で調節する。フロントガラスが大きな画面になっており、自動運転時に旅先で撮った写真を映したりできる。増井敬二社長は「今までにない移動手段を提供し、未来のモビリティー社会をリードしたい」と語った。

 ホンダが出展した小型EV「NeuV(ニューヴィー)」は、所有者が使わない時間には自動運転で移動してシェアリングのサービスで働くとのアイデアだ。

 シェアリングを巡っては、トヨタ自動車がライドシェア(相乗り)大手の米ウーバーへの出資に続き、今夏からシンガポールのグラブと協業を始めるなど、ノウハウを取り込もうとする自動車大手の動きが目立っている。

 (宮本隆彦)

 

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