トップ > 特集・連載 > クルマ革命 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

クルマ革命

「植物部品」軽く熱に強く 間伐材など活用

トヨタ車体はスギの粉(ガラスケース右端)から「タブウッド」(同左端)を開発。配線保護カバー(左奥)に使っている=名古屋市港区のポートメッセなごやで

写真

 自動車の車体に使われる素材が多様化する中、トヨタ自動車グループが、間伐材や植物を活用した部品の開発を積極的に進めている。資源の再利用に役立つだけでなく、軽くて意外と高温にも耐えられる特性などを生かし、一部の市販車への採用も始まっている。

 トヨタ車体(愛知県刈谷市)は、愛知県などの山から出たスギの間伐材を細かく砕いた粉と、自動車部品の主要な樹脂材料ポリプロピレン(PP)を混ぜ合わせた素材「タブウッド」を二〇一二年に独自開発した。

 通常、PPの強度や耐熱性を高めるためにはガラス繊維などを混ぜるが、タブウッドはガラスより軽い間伐材の粉を使うことで、10%の軽量化に成功した。

 木質素材の耐熱性は燃えにくい特性で知られるガラスにはかなわないが、それでも二〇〇度からマイナス二〇〇度までの幅広い温度変化に対して安定する。

 このためトヨタ車体は、熱を帯びるフォグランプのカバーに続いて、エンジンルーム周辺の配線保護カバーを一五年に初めて商品化した。余った間伐材を安く仕入れるため、コスト削減にも役立つ。これまで木目調の内装材などは人気があったが、デザインにとどまらず、機能面からも幅広い自動車部品に応用できるようになってきた。

 すでに高級ミニバン「アルファード」「ヴェルファイア」や、今年三月に発売されたトヨタ自動車の高級ブランド「レクサス」の最高級クーペ「LC」でもタブウッドが使われている。

トヨタ紡織はケナフを使った素材でドアの内装材を製品化した=名古屋市港区のポートメッセなごやで

写真

 開発を担当するトヨタ車体植物材料開発室の西村拓也室長(47)は「間伐材を利用して資源の再利用に貢献するという視点にとどまらず、機能性をみても木材のポテンシャルは高い」と話す。今後もさまざまな部品に応用されそうだ。

 一方、トヨタ紡織はハイビスカスの一種の一年草「ケナフ」に注目。PPと半々で混ぜ合わせることで軽量化を実現した。成長が早く、二酸化炭素(CO2)を多く吸収するケナフの利用は、地球環境への貢献もPRできる。すでに、レクサスや、独BMWのスポーツタイプ多目的車(SUV)「X1」のドアの内張り部品などに採用された。

 昨年には、ヒノキの間伐材を利用した素材も開発した。心地よい独特の香りや手触りを楽しめる点を強みに活用方法を検討している。トヨタ紡織の広報担当者は「植物由来の素材を使うことで、人の五感に訴えるような快適な車内空間を提供したい」と話している。

 植物由来の素材の採用はトヨタグループ以外でも進む。マツダは、三菱化学が開発したトウモロコシのでんぷんを原料に使ったバイオプラスチックを、小型スポーツカー「ロードスターRF」の窓枠外装パネルなどに採用。スズキも一四年に発売した軽自動車「ハスラー」の内装パネルに同じ素材を使っている。

 (岸本拓也)

 

この記事を印刷する

新聞購読のご案内

PR情報

Search | 検索