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高校生・大学生

<by学生スタッフ> 浪人も悪くない!

浪人することについて意見を交わす学生スタッフら=中日新聞社で

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 私立大入試の難化などに伴い、浪人が増えているという。ネガティブな印象を抱く人も多いが、本当はどうなのか。浪人経験あり、なし両者の学生スタッフら八人が本音を語り合った。

 「実は私は第一志望の国立大に落ちて、非常に悔しい思いを抱えながら第二志望の大学に入ったんです。浪人していたらどうなっていたか。実際に経験した人の話が聞きたい」。座談会は、現役で愛知県内の私立大に今春入った学生スタッフ(19)の告白で始まった。

 浪人に対するイメージを現役生に聞くと「志望校をあきらめずに努力して頑張っている人」との答えがある一方で、「高校生でも大学生でもないマージナルマン」「入学後同じ学年なのに年上になるのは…」と否定的な考えの人もいた。

 「周りの浪人が模試でいい点を取る中、自分は思うように結果が伸びずつらかった」と話したのは、一浪して国立大に入った学生スタッフ(20)。友人や予備校職員に不安を打ち明けながら、モチベーションを維持したそうだ。大阪大四年の橋本涼佑さん(23)は二浪の末に念願の大学に通う。「一浪して別の大学に通いながら仮面浪人した時は、その大学になじまないように周囲に心を閉ざしてつらかった」と打ち明けた。

 「現役生に比べると成績の伸び幅が少ないので、追い上げられているように感じた。ただ自分のやるべきことは勉強だけ。不安はそこまでなかった」と語った別の学生スタッフ(20)も。予備校の授業料などが百万円弱かかったといい「親に迷惑を掛けているから頑張ろう」と感じた人も多かった。

 話題は浪人中の恋愛にも。勉強に専念するため恋人と距離を置こうとしたものの、支えられながら乗り越えた人もいれば、「一浪中に彼女ができて勉強に全く集中できず失敗した」と苦笑した人もいた。

 三浪の経験を生かし、二浪以上した学生四十二人からなる「大阪大学多浪の会」を作ったのは、大阪大の大学院生で会長の伊藤慧さん(25)。ツイッターを利用して受験生の悩みの相談に乗る。自らは医学部を志していたが、予備校の講師との出会いで理学部に進路を変えた。

 「苦悩もあったけれど、時間をかけて本当にやりたいことが見つかった。学内には他大学を落ちてコンプレックスを持つ人も多いが、自分はじっくり挑んで入った阪大が大好き。入学後から積極的にゼミに入ったり講演を聴きに行ったりして勉強してきた。現役だったら遊ぶ毎日を送っていたかな」

 名古屋大の大学院で学ぶ女子学生(24)も「絶対に名大に入りたいと一浪し、他人との話し方を忘れるほど勉強した。自分の進路をゆっくり考えられたし、浪人時代に自分に合う勉強法を見つけたからこそ院試を乗り切れた」と振り返る。

 「浪人したことを後悔しているか」との質問に「イエス」と答えた人は誰もいなかった。「浪人」という言葉は英語にはないという。海外では飛び級や、高校卒業後にすぐに進学しない人も多く、学生の年齢は多様だ。ただ、「日本の就活では浪人や留年で三年遅れると影響が出る企業も。気を付けて」との話も。

 冒頭の学生スタッフは「今は大学生活を目いっぱい楽しんでいる。でも本当は悔しい」と涙を見せた後、「浪人は嫌だと思っていたけれど、皆さんと話し、今なら当時の私に『浪人という道もあるよ』と勧められる」と笑顔。他の学生スタッフも「浪人の存在は現役生への刺激になる」。

 一度しかない人生で後悔のない選択をするために、そして自分を見つめ直すために、浪人するのも手だ。その時間はきっとその後の人生を良いものにしてくれる。浪人は決して悪くない! そんな結論に達した。

 (日本福祉大二年・依田龍之介、富山大一年・水谷玲那、早稲田大一年・板垣杏奈)

◆将来を考えられた 富山大1年水谷玲那

 私は1浪を経験。決して楽な日々ではなかったが、中途半端な気持ちで進学するよりも一度立ち止まって将来について考えられたのが良かった。夏を制するものは、受験を制す。春に笑っている自分を想像してこの夏を乗り切ってほしい。

◆ベストな道進める 早稲田大1年板垣杏奈

 AO入試で現役で入った私には縁がないと思っていた浪人。合格したから進学するのではなく、後悔しないためにもベストな道を進むことが大切と感じた。マイナスな印象の強い浪人だが、受験生の皆さんも選択肢として考えてみては?

 

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