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高校生・大学生

<高校生はこう思う!> なくせる?ブラック校則

 新学期が始まり、校則や生徒心得といった学校独自のルールに戸惑う高校生もいるのでは。昨秋、大阪府立高校の生徒が生まれつき茶色の髪を黒く染めるよう強要され不登校になったとして裁判を起こしたのを機に、頭髪や服装などを理不尽に制限する「ブラック校則」の見直しを求める声が広がっている。当事者たちはどう考える?

◆毎朝肌着を点検

 この春に愛知県立高校を卒業した女子学生は、高校時代の身なり点検に、今も「納得できない」と憤る。

 生徒手帳には記載されていないが、制服のブラウスの下に着る肌着は、無地で「黒、白、紺、グレー」の四色が決まり。毎朝校門と教室で点検があるため、そのたびにブラウスの裾を自分でめくったり胸元を開けたりして、生徒指導や担任の教諭にチェックを受けるのが日課だったという。

 「冬は長袖だけど、夏はタンクトップやキャミソール。先生のほとんどが男性なので気持ち悪く、登校が嫌で仕方なかった」

 点検のときに一度だけ反論した。薄い水色の肌着を指摘されたため「どうしてダメなんですか?」と尋ねると、教諭は「決まりで決まっているからダメだ」と答えたという。「高卒で就職する子もいて、身だしなみをきちんとしようという思いは分かる。でも、やりすぎだと思いませんか?」

◆地毛証明が必要

 別の県立高校に通う三年女子も、毎月のように行われる「身だしなみ検査」を疑問視する。クラスごとに名簿順で整列し、一人ずつ髪の毛の色やスカート丈などを調べられる。その様子は「まるで私たちが悪いことでもしているみたい」。

 髪を染めていなくても茶色と見なされれば「地毛証明」が必要で、幼少時代の写真の提出を求められた生徒もいる。「なぜ『みんな一緒』という価値観で縛ろうとするのか。多種多様な人と関わるグローバル化の時代に合わないのでは」

◆冬の黒タイツ×

 そもそも校則は必要なのか。国立大付属高校の三年男子は「人権侵害や存在意義が論理的に説明できない規則はなくすべきだが、学校の秩序維持のためには必要」と考える。別の県立高校の三年男子も必要とした上で「先生に決められたものではなく、自分たちでルールを作り上げる制度を確立すべきだ」と主張する。

 冬の黒タイツ使用を認めてもらおうと、生徒会が運動していたという岐阜県立高校の三年女子は「結局は先生の反対で校則が変わらなかったと聞き、生徒が行動を起こしても独り相撲で終わると感じた。もうすぐ選挙権を得るが、実際の選挙も行く意味がないかもと思ってしまう」と話した。

      ◆

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 若者の支援に携わるNPO有志で発足させた「ブラック校則をなくそう!プロジェクト」が二月、十〜五十代の二千人を対象に中学・高校時代の校則体験を尋ねた調査によると、若い世代になるほど「下着の色指定」や「眉の手入れ禁止」といった校則を体験した人の割合が増えている=図。

 人前での叱責(しっせき)や反省文など「見せしめ的な指導」が強まっている傾向もあり、発起人代表の渡辺由美子さん(NPO法人キッズドア理事長)は「先生が多忙化する中で生徒を効率よく管理しようとする結果、行き過ぎた指導につながっている可能性もある」とみる。

 発起人の一人で須永祐慈さん(NPO法人ストップいじめ!ナビ副代表)は、「そもそも生徒の頭髪や服装に乱れがあると『指導が悪い』と苦情を寄せ、学校に責任を押し付ける社会の現状もある」と指摘。「校則がストレスで不登校やいじめにつながる例もある。ブラック校則をなくそうという議論を入り口に、今後の教育がどうあるべきか社会全体で見直すきっかけにしてほしい」と語った。

 (川合道子)

 

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