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高校生・大学生

使える英語、武者修行 高卒後、ワーキングホリデーも選択肢

ワーキングホリデーについて説明を受ける人たち。ここ数年は高校生の姿も目立つという=名古屋市中村区の日本ワーキング・ホリデー協会名古屋オフィスで

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 高校生の七割以上が大学や専門学校などへ進学する中、卒業後に海外で学んだり働いたりできる「ワーキングホリデー制度」の利用を考える高校生が増え始めている。「使える英語を身につけ、グローバル化する地域を支えたい」という思いもあるようだ。

 ワーキングホリデーは、日本政府が協定を結んだ国や地域で、旅行や勉強だけでなく働きながら長期滞在できる制度。十八〜三十歳が申請でき、期間は原則一年間。日本は現在、オーストラリアやイギリス、ドイツ、台湾など二十一の国や地域と協定を結んでいる。

 渡航代や授業料などは必要だが、就労すると現地で生活費を調達できるため、留学に比べて初期費用が少なくてすむのが特徴。仕事や滞在先は自分で探す。利用者の大半は大学生や社会人だったが、「日本ワーキング・ホリデー協会」(本部・東京)によると「ここ数年、セミナーに訪れる高校生も増えている」という。

 岐阜県恵那市の高橋周平さん(高三)は、夏にカナダ・トロントに渡航する。三カ月は語学学校で学び、レストランなどで接客スタッフとして働く計画だ。

 きっかけは一昨年に参加した短期留学。「英語は得意だったが、現地で理解できず悔しかった」。加えてアルバイト先の飲食店では外国人旅行者が増え、「今のうちに英語力や国際感覚を磨かないと、グローバル化についていけなくなると思った」。

 国内で大学進学を考えていたが、留学より費用が抑えられ「働くことを通じてさまざまな背景の人に出会えそう」と制度の利用を決めた。「世界のどんな人ともコミュニケーションできる力を身につけたい。帰国後は外国人旅行客が多いホテルなどに就職し、地域の力になりたい」と語る。

 同協会の名古屋オフィスには高校からの講演依頼もある。ある工業科の教員は「高卒で就職する生徒に海外で活躍する機会が広がっている。内向き志向の生徒たちに海外を身近に感じるきっかけが必要」と話す。

 特に製造業では、入社五〜六年で技術指導者として海外の工場への赴任が増える一方、海外行きを拒む若手社員が少なくないのが企業側の悩みの種とも。「国内で外国人従業員をまとめる立場にもなる。早い段階で海外を経験することは後のキャリアにも大切」

 三年前に高卒後に制度を利用した早川尚公(なおきみ)さん(22)=名古屋市中区=は「シェアハウスや職場のレストランで世界各国の人たちと過ごす中で、見た目などの先入観にとらわれず意見を交わせるようになった」と振り返る。その経験を武器に、「世界で通用する美容師」という目標に向かって、腕を磨く日々を送る。

 中には「行けば何とかなる」と無計画に渡航し、充実感を得ないまま一年が過ぎる例もある。同協会名古屋エリアマネージャーでキャリアコンサルタントとして帰国後の進路も支援する永島拓也さん(32)は「自由だからこそ目的を考えてプランニングすることが大事。事前のセミナーやカウンセリングなどを受け『語れるワーホリ』を目指してほしい」とアドバイスを送る。

 (川合道子)

 

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