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高校生・大学生

<スタッフ座談会> Youは何しに大学へ? 現役学生と意見交換

「あなたは何しに大学へ?」をテーマに話し合う高校生たち=名古屋市中区の中日新聞社で

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 高校を卒業したら、とりあえず進学−。18歳人口がさらに減り、大学が入りやすくなっている今、あなたは何しに大学へ? 高校生スタッフが、現役の大学生たちと一緒に考えた。

 「周りが進学する人ばかり。何となく大学に行かなきゃいけないような気がしています」と打ち明けるのは、愛知県幸田町の三浦明香さん(二年)。「まだ社会に出て働ける自信はないし、進学した先で何か見つかるかも。大学で勉強しつつ、アルバイトをして社会経験を積みたい」と話す。

 県内への進学を考えてはいるものの、大学や学部などは具体的に決まっていない。「実際にどんな勉強をするかは授業を受けてみないと分からない。入学してから学部や学科を決められたらいいのに」と思う。

 同県碧南市の石黒美沙紀さん(一年)も「将来が見えず『とりあえず大学』という意識の子も多い」と感じている。自身が進学を希望する理由の一つに「リストラの対象になるのは高卒からと聞くから」と挙げた。

 ベネッセ教育総合研究所が二〇一六年に全国の大学生を対象に実施した「第三回大学生の学習・生活実態調査」によると、高校時代に受験する大学を決める際「興味のある学問分野があること」を重視した学生は54・5%で、〇八年に比べて10ポイント以上減っている。「興味のある学問分野」を重視しなかった学生ほど、高校時代に自分の進路や将来について積極的に考えていなかったと回答。「大学で学びたいことがあいまいなまま入学する学生が増加しているようだ」(ベネッセ)という。

 楽な授業を好み、大学の支援を求める声も高まっている。同じ調査で「あまり興味がなくても、単位を楽にとれる授業がよい」と答えた学生は61・4%、「学生生活は大学の教員が指導・支援するほうがよい」は38・2%で、それぞれ八年間で12・5ポイント、22・9ポイント増えた。

 三重県の私立大に通う小田星矢さん(二年)は「自分の興味より楽に単位が取れる授業を履修したり、寝ていたり。学ぶ意欲が感じられない学生が目立つ」と漏らす。名古屋市の私立大に通う女子学生(一年)は高校時代を振り返り、「高校が進学率を上げることや、より偏差値の高い大学に行かせることに必死だった。自分の将来を考え、もっと『なぜ大学に行くのか』を考える機会がほしかった」と話した。

 一方、同市の国立大大学院生伊藤拓さん(二年)は「大学は人生の夏休み」ときっぱり。「興味のなかった授業でも視野が広がり、生き方に影響することもある。自由な時間をどう有意義に過ごすかが大切」とアドバイスを送った。

 文部科学省によると、十八歳人口は一八年に百二十万人を下回り、今後減少の一途をたどる。大学側はキャンパスを利便性の高い都心に移転したり、就職活動を手厚く支援したりして魅力のPRに懸命だが、高校生は冷静だ。愛知県半田市の池内友音さん(二年)は「施設面も大事だが、学費に見合う質の高い教育を提供してほしい」と話した。

 東京の私立大大学院に通う大島潤平さん(二年)は「特に文系は理系と比べて『四年で何を学んだか』が見えにくい」と指摘する。「その学部で何が学べるのか、どのような将来のビジョンを描けるのかを明確にすべきだと思う。学生の『学びたい!』に応えられる大学こそが支持されるのでは」と予測した。

 (川合道子)

 

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